倉山満

倉山満の人物像

倉山満は、1973年生まれの日本の歴史学者です。憲政史、特に憲政の常道や皇室史を専門としています。一般社団法人「救国シンクタンク」の所長・理事長を務めるほか、国士舘大学で非常勤講師、国立公文書館アジア歴史資料センターで非常勤職員を歴任しました。

生い立ちと教育

香川県で生まれ、香川県大手前高等学校（現・大手前丸亀高等学校）を卒業後、中央大学文学部史学科国史学専攻に進学しました。その後、中央大学大学院文学研究科国史学専攻博士前期課程を修了し、修士号を取得。さらに博士課程に進みましたが、単位取得満期退学となりました。大学院在籍中には、満洲事変を法制および政治的背景から分析した論文を発表していました。また、中央大学辞達学会の出身であり、先輩には上念司がいます。

社会活動

1998年、北朝鮮による拉致被害者に中央大学の学生である蓮池薫が含まれていることを知り、有志と「北朝鮮に拉致された中大生を救う会」を発足させました。この活動は、2002年9月17日の日朝首脳会談での蓮池薫夫妻の帰還につながったと評価されています。

評論活動

2009年にブログ「倉山満の砦」を開設し、2012年にはインターネットサービス「倉山塾」を開講しました。同年、一般財団法人希望日本投票者の会のシンクタンクである希望日本研究所の所長に就任し、自由民主党総裁選挙では「安倍晋三総理大臣を求める民間人有志の会」発起人の一人となりました。

2013年10月には、インターネット放送局「チャンネルくらら」を開局し、各分野の専門家を招いて情報発信を行っています。また、2015年には次世代の党自主憲法起草委員会の顧問に就任しました。2020年3月には、江崎道朗、渡瀬裕哉とともに「救国シンクタンク」を設立し、所長・理事長に就任しました。

主張

ネット右翼批判

倉山は、著書『保守とネトウヨの近現代史』において、安倍政権とネット右翼の関係について、「歴史家は安倍政権を何もできなかった政権と断罪するだろう」と批判しています。また、安倍晋三に追従しただけの「保守」や「ネトウヨ」は歴史から忘れ去られるだろうと述べています。

憲法

大日本帝国憲法については、日本の歴史、文化、伝統に則った、世界標準の文明国の通義にかなった憲法であると評価しています。また、憲法は国家権力を縛るためのものであるという観点から、理想主義的な文言を憲法に書き込むべきではないとし、日本国憲法や産経新聞、自由民主党の憲法改正案も批判しています。

歴史教育

著書『常識から疑え！山川日本史』では、山川出版社の高校日本史教科書を批判しています。

ウィキペディア批判

ウィキペディアのルイ18世の項目を引用し、その内容の矛盾を指摘し、「学問の基礎ができていないのに知識人を気取る人が集まる場」と批判しています。

検察

著書『検察庁の近現代史』で検察を批判していますが、令和2年の黒川騒動では、内閣の人事介入を批判し、検察を擁護しています。

2020年アメリカ大統領選挙における陰謀論

2020年アメリカ合衆国大統領選挙では、不正選挙陰謀論を拡散した右派言論人を批判しています。

参政党

参政党に対しては批判的であり、「振り切ったトンデモ」と評しています。KAZUYAと渡瀬裕哉が離党したことで、陰謀論やスピリチュアル、ネットワークビジネスに傾斜したと批判しています。

消費税

消費税の増税には反対の立場を表明しており、特に消費税を8%に増税する際には、財務省事務次官の木下康司に対するコラージュ画像を作成し、攻撃を扇動したとされています。

著作活動

倉山は、多数の著書を執筆しており、その内容は近現代史、憲法、政治、外交など多岐にわたります。特に「嘘だらけ」シリーズは、独自の視点から歴史を再解釈する内容で、多くの読者を惹きつけています。

また、歴史問題や教育問題についても積極的に発言しており、独自の歴史観や憲法観を展開しています。これらの著作を通じて、日本の歴史や政治に対する新たな視点を提供し、読者に思考を促しています。

メディア出演

倉山は、自身のインターネット放送局「チャンネルくらら」をはじめ、DHCテレビや文化チャンネル桜など、様々なメディアに出演し、自身の見解を発信しています。また、テレビ番組の制作協力や、複数のWebメディアで連載を持つなど、多方面で活躍しています。

倉山満の活動

倉山は、歴史学者としてだけでなく、評論家、政治活動家としても積極的に活動しており、その活動は多岐にわたります。独自の視点から歴史や政治を分析し、日本の将来について深く考察を続けています。

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