倉賀野城

倉賀野城について

倉賀野城は、現在の群馬県高崎市倉賀野町に存在した日本の城です。この地は、西上野と北武蔵の境界にあたり、利根川が流れ、中山道が通過するという交通の要衝でした。城は、烏川の左岸にある河岸段丘の上に位置しており、東西約800メートル、南北約400メートルの広大な範囲を城域としていました。

倉賀野氏の勃興

鎌倉時代の治承年間、武蔵児玉党の支流である秩父高俊がこの地に館を構え、倉賀野氏を名乗ったのが始まりとされています。南北朝時代には、倉賀野光行が館を改修し、倉賀野城を築城しました。

戦国時代の激動

戦国時代に入ると、倉賀野城は、上杉氏、武田氏、後北条氏といった有力な戦国大名の勢力争いに巻き込まれていきます。城主であった倉賀野行政は、関東管領の上杉憲政に仕えていましたが、1546年の河越夜戦で戦死しました。その後、上杉憲政が越後へ落ち延びると、倉賀野尚行が城主となり、金井秀景や須賀佐渡など、倉賀野十六騎と呼ばれる家臣たちと共に城を守りました。

しかし、上杉謙信が越山してくると、倉賀野氏は箕輪長野氏と共に上杉氏に従い、倉賀野城は上杉方の箕輪城の支城として機能しました。

1561年、武田信玄による西上野侵攻が始まると、倉賀野城内でも内部分裂が起こり、金井秀景らは武田氏に寝返りました。1565年、倉賀野城は武田氏の手に落ち、倉賀野尚行は上杉謙信を頼って越後へ逃れました。その後、武田氏に従った金井秀景が倉賀野秀景と名を改め、城主となりました。

1582年に武田氏が滅亡すると、倉賀野秀景は滝川一益に従いましたが、本能寺の変後は後北条氏に仕えました。

廃城へ

1590年、豊臣秀吉による小田原征伐が行われると、倉賀野秀景は後北条氏の武将として小田原城に籠城しました。小田原城の落城とともに倉賀野城も開城し、その後、廃城となりました。

現在の倉賀野城

現在、倉賀野城の遺構は、その後の国道建設などの影響でほとんど残っていません。しかし、かつて城があった場所の近く、烏川沿いの公園には、倉賀野城の歴史を伝える石碑が建てられています。

参考文献

簗瀬大輔、「真田丸時代の高崎」、群馬県立歴史博物館、2016年

関連項目

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