偕和會

偕和會 (かいわかい)

偕和會は東京都葛飾区金町を本部とする宗教法人であり、その起源についてはGLAから派生したとされることがありますが、それは誤解です。教祖である堀田和成は1926年に生まれ、2013年に逝去しました。彼は独自の信仰グループ「法友」を創設し、1985年に宗教法人に移行する際に「偕和會」と改名しました。

教義と信仰対象

偕和會が布教する宗教は「正道」と呼ばれ、その信仰対象はインド神話に登場するクリシュナです。インド神話の中ではクリシュナはヴィシュヌの化身とされていますが、偕和會においてはクリシュナが最高神と見なされています。教義は主に『バガヴァッド・ギーター』を基にしており、この聖典は堀田自身による解説を通じて信者に伝えられます。

日常の実践として、信者は「虚心の祈り」を重視しており、これは個人的な欲望を脇に置き、自身の平安を求め、周囲の人々の幸せを祈念することです。また、教義の中心には「三戒」があり、これは想念、言葉、行為を正すことを神に捧げるとされ、これらは信仰の重要な柱と位置付けられています。これら二つは「祈りと三戒」として、車の両輪に例えられています。

偕和會の教えは仏教やキリスト教、ヒンドゥー教などの教えを融合させたものであり、各宗教の教えが地理や文化に応じて展開されていることを前提として、その根本にある思想は共通しているとしています。

精神世界の概念

敬和會では、人間の意識活動を三つの段階で捉え、精神界、相対界、欲界の言葉を用います。これはヒンドゥー教におけるサットヴァ、ラジャス、タマスの三性質に対応しており、それぞれに上段、中段、下段があるとされています。最上段である精神界の上段が最も高い存在とされ、死後は生前の意識の状態に基づいてそれぞれの世界に移行します。しかし、最上段に達したとしても、徳が尽きれば再び現世に戻るため、最終的な目標は物質世界からの解脱です。

この解脱は完全な自己努力によっては実現不可能であるとされ、信者は至上主クリシュナに自己の魂を全託し、地上的な行為を神に捧げる奉仕を重視します。このような信愛（バクティ・ヨーガ）と奉仕行（カルマ・ヨーガ）を通じて、内なる叡智（ブッティ）が開かれ、信者の魂の帰るべき道が明確になると教えられています。信仰の中で神と個人の関係が強調され、集団や団体としての信仰ではなく、個々の神との交流が重視されています。

事務局と関連施設

偕和會の本部事務局は東京都葛飾区金町に位置し、その他にも兵庫県、西宮市、北海道、宮城県、千葉県、神奈川県、島根県、沖縄県などに事務局や事務所があります。さらに、2001年には比叡山延暦寺内に信者のための墓所「正道者久遠墓所」が設置され、開眼式が行われました。しかし、その際には分骨または位牌を収めるのみとなっています。

まとめ

偕和會は独自の教義に基づき、人々がクリシュナとの関係を深めるための活動を行っています。信者は自らの内面的な成長と、他者の幸せを祈念することを重視し、個人と神との関係に基づく信仰を実践しています。

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