偽典・女神転生 東京黙示録

偽典・女神転生 東京黙示録

『偽典・女神転生 東京黙示録』は、1997年にPC-9800シリーズ用、1999年にWindows用ソフトとしてアスキーから発売されたPCオリジナル作品です。キャラクターデザインは相崎勝美/相崎直美が担当しています。

概要

本作は、『真・女神転生』の世界観を背景とし、主人公が金剛神界に留まっている間の出来事を描いています。悪魔との会話や合体、仲魔システムといったシリーズの根幹をなす要素はそのままに、ストーリーやキャラクターはPC版独自のものが展開されます。

ゲームデザインは、『デジタル・デビル物語 女神転生II』を手掛けた鈴木一也が担当しており、設定や物語には共通点が見られます。また、鈴木が原作を担当した漫画『真・女神転生 東京黙示録』（作画：御祇島千明）との関連性もあり、漫画版で未解明だった謎の一部が補完されています。

ゲームシステムは、真・女神転生シリーズのTRPG版である「真・女神転生RPG基本システム」に類似しており、覚醒条件や仲魔の成長、スキル系統などがほぼそのまま採用されています。キャラクターのパラメータには、「直感」「精神力」「加護」といった要素が追加され、TRPGをコンピューターで再現したようなゲーム性を持っています。

シリーズとの相違点

作中の描写

女神転生シリーズの中でも、本作は性的描写やグロテスクな描写が際立っています。性交描写や女性型悪魔の乳首描写といった性的な表現や、悪魔に生きたまま八つ裂きにされ貪り食われるといったグロテスクな表現が存在し、専用のCGも用意されています。ただし、18禁の年齢制限はありません。

悪魔の成長

本作では、悪魔にレベルアップの概念が導入されています。悪魔は経験値を得てレベルが上昇し、レベルが上がるごとにスキルを習得したり、パラメータが上昇したりします。また、仲魔に武器や防具、銃器などの射撃武器を装備させることも可能です。仲魔の武具装備や防具への宝石追加が可能なのは、現時点では本作のみです。

悪魔合体は「邪教の館」で行い、自分のレベルより低い仲魔のみを合体させることができます。

戦闘システム

敵味方がリアルタイムで行動する戦闘システムが採用されています。戦闘速度はCPUの速度に依存するため、想定以上のCPUを搭載したコンピュータでは、敵の行動回数が極端に増え、難易度が上昇することがあります。有志によって戦闘速度を調整できるパッチが配布されています。

移動システム

マウスとキーボード（テンキーまたはカーソルキー）で操作します。PC98版ではテンキーによる移動が可能でしたが、Windows版では廃止されています。

覚醒イベント

真・女神転生RPGシリーズの特徴である覚醒イベントが採用されており、主人公はイベントを通じて魔法や技能を習得します。

ストーリー

20世紀末、ICBMによって東京は崩壊。人々は地下シェルターに避難し、悪魔に対抗するためデビルバスターを組織しました。初台シェルターに住む少年・葛城史人は、デビルバスター隊長である父に憧れて入隊試験を受けます。一方、相馬雪彦はパソコンに表示された謎の文字から、悪魔との戦いに巻き込まれていきます。

登場人物

葛城 史人（かつらぎ あやと）
本作の主人公。悪魔によって両親を奪われた過去を持ちます。
橘 由宇香（たちばな ゆうか）
エリート階級の少女で、葛城と共にデビルバスターを目指します。
飛鳥 泪（あすか るい）
地上で出会う謎の少女。
早坂 達也（はやさか たつや）
デビルバスターの一員で、格闘戦を得意とします。
桐島 英美（きりしま えみ）
デビルバスターの一員で、メカニック担当。早坂の恋人。
西野 義雄（にしの よしお）
デビルバスター第二部隊隊長。葛城の父に恩義を感じています。
山瀬 勇（やませ いさむ）
デビルバスターの一員。銃の扱いに長けていますが、皮肉屋です。
園田 哲也（そのだ てつや）
元・原宿シェルター所属のデビルバスター。熱血漢です。
上河 公輝（かみかわ こうき）
元・原宿シェルター所属のデビルバスター。心優しい青年。
山田 カズミ（やまだ カズミ）
御田急ハルクで妹と暮らす男。ある秘密を抱えています。
相馬 三四郎（そうま さんしろう）
隻腕の好青年。大破壊前の仲間を捜しています。

小説版

『偽典・女神転生 遠く流されて〜EXILE〜』は、本作序盤のノベライズ作品です。

開発スタッフ

ゲームデザイン/ディレクター(PC98版) - 鈴木一也
ストーリープロット - 健部伸明
シナリオ - 日下朝人
キャラクターデザイン - 相崎勝美
オリジナルキャラクターデザイン - 金子一馬
サウンドコンポーザー - 増子司
オリジナルノベル - 西谷史

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