デジタル・デビル物語 女神転生

デジタル・デビル物語 女神転生

『デジタル・デビル物語 女神転生』は、1987年9月11日にナムコからファミリーコンピュータ用にリリースされたロールプレイングゲームです。このソフトは「ナムコット ファミリーコンピュータゲームシリーズ」の第29弾として位置づけられ、ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」でシルバー殿堂入りを果たすなど、その評価も高い作品となっています。

概要

本作は、西谷史による伝奇SF小説シリーズ『デジタル・デビル・ストーリー』を原作とし、OVAと連動したメディアミックス作品として開発されました。登場キャラクターや一部の設定を取り入れているものの、ゲームの内容はほとんど独自のものです。開発にはアトラスが関与しており、音楽は増子司、美術はアニメーターの北爪宏幸が担当しています。

ゲーム内容の要約

ジャンルとしては主観的視点の3DダンジョンRPGに分類され、プレイヤーは中島とそのパートナーである白鷺を操作します。ゲームは「飛鳥の大魔宮」という6つのエリアからなり、各エリアを支配する魔王を倒すことが目的です。最終的には「イザナミ」を囚え、世界を支配しようとする大魔王「ルシファー」を倒すことを目指します。

プレイヤーは、仲間（仲魔）を集めるために「悪魔召喚プログラム」を使用します。悪魔は最初は敵として登場しますが、交渉やアイテムの提供によって仲間に引き込むことが可能です。仲魔同士は合体させて新たな悪魔を生み出すことができ、戦力強化の重要な要素となります。

現代の設定と高校生たちが迷宮に挑むという新鮮なシチュエーション、さらに多様なシステムが特徴的で、当時のRPGとしては革新性が評価されました。また、アニメーションで描かれる悪魔のグラフィックも特徴的で、広大な3Dマップには数多くのトラップや強敵が待ち受けています。

この作品は、約3年後に続編の『デジタル・デビル物語 女神転生II』が登場し、同じく高い人気を誇りましたが、ナムコの関連作品はこの二作で一旦区切りを迎えます。

『真・女神転生』シリーズとの関係性

1992年にアトラスは、スーパーファミコン向けに新作『真・女神転生』を発表しました。この作品では、本作と『II』のシステムが引き継がれ、多くの関連作品が生まれることになります。現在まで「真・女神転生シリーズ」として、多種多様なタイトルがリリースされ続けています。アトラスは1995年に本作と『II』をリメイクした『旧約・女神転生』を発売しました。

他機種への移植事例

本作は長らくオリジナルの状態での移植は行われませんでしたが、携帯電話用アプリゲームとして数回の移植が行われました。また、2020年にはNintendo Switch用の『ナムコットコレクション』のDLCとして再登場しています。

システムとゲーム内容

ゲームの冒頭では、主人公とそのパートナーのステータスが設定され、プレイヤーは自由にポイントを割り振ることができます。戦闘はターン制で進行し、悪魔との交渉や合体が特に重要なシステムとして組み込まれています。ダンジョン内では即戦力となる仲魔を活用し、迷宮を進むことが求められます。

物語の舞台とキャラクター

1980年代後半が舞台で、プログラミングに秀でた高校生の中島が、自らのプログラムで悪魔を召喚するところから物語は始まります。彼は、女神イザナミの転生した弓子と共に、魔王や大魔王に立ち向かう運命にあります。登場キャラクターは多様で、それぞれが物語の中で重要な役割を果たします。

評価と影響

本作はゲーム界において革新的なシステムをもたらし、さまざまな媒体で高く評価されました。ゲーム雑誌では、悪魔合成システムやダークな世界観、キャラクターの魅力が強調され、多くのファンを獲得しています。特に、他のRPGと一線を画すその独自性が今なお語り継がれる理由の一端となっています。

総括

『デジタル・デビル物語 女神転生』は、当時のRPG市場において革新をもたらし、今日のゲームデザインにおいてもさまざまな影響を与え続ける作品です。その斬新なシステムと魅力的なストーリーは、多くのプレイヤーにとって記憶に残り続けることでしょう。

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