傅筱庵

傅筱庵（ふ しょうあん）の生涯と業績

傅筱庵は1872年12月30日に生まれ、1940年10月10日に亡くなった中国の政治家、実業家、銀行家です。彼は清末から民初にかけて活躍し、日本では宗耀という名でも知られていますが、中国では通称「筱庵」として親しまれています。特に中華民国維新政府や汪兆銘政権下での上海市長としての業績が高く評価されています。

初期の経歴

彼のキャリアは1892年、上海浦東の船工場で働き始めた時期に遡ります。ここでの経験を基に、夜間学校で英語を学び、彼の国際的な視野の広がりが始まりました。1909年には招商局所属の華興保険公司にて副経理や総経理を歴任しており、ここで銀行業務や保険ビジネスの基盤を築きました。

辛亥革命とその後の業績

1911年の辛亥革命の際、傅筱庵は滬軍都督府財政部の総参議や滬関清理処の処長に就任し、政治の舞台に本格的に足を踏み入れることとなります。この時期には招商局や漢冶萍公司、中国通商銀行の株主代表としても重要な役割を果たしました。

1914年には盛宣懐によって招商局経理各地桟租に任命され、その後、中国通商銀行の理事や上海総商会の議董を兼任しました。1916年、盛の死去に伴い、傅は招商局の重職を引き継ぎ、その後も名だたる企業で指導的なポジションを担いました。

上海総商会の会長

1926年、傅筱庵は上海総商会の会長に就任しますが、中国国民党による北伐軍が上海に進入すると、彼は北京政府の孫伝芳を支持したことが理由で指名手配され、大連に逃れる羽目になりました。この逃亡は彼にとって苦しい時期でしたが、彼はその後、1931年に指名手配が解除され、再び上海のビジネス界に復帰しました。

上海市長としての功績

1938年、傅は中華民国維新政府の上海特別市市長に任命されました。このポジションでは、地域の行政や経済回復に大きく寄与しましたが、当時の政治情勢は彼にとってリスクも伴いました。同年、汪兆銘（汪精衛）の暗殺計画が浮上し、彼は当初軍統に協力していたものの、直前に汪に計画を告げて特務を取り押さえました。これは彼の勇気ある行動として後世に語り継がれています。

最期と評価

1940年、傅筱庵は軍統に雇われた使用人によって暗殺され、その生涯を閉じました。享年69歳。彼の生涯は、中国の近代史における混乱と変革の中での政治家及び実業家としての姿を如実に物語っています。傅筱庵の業績や影響力は、彼の死後も多くの研究や文献に取り上げられ、付随する文献としては「民国人物大辞典」や「民国職官年表」などがあることでも知られています。彼の行った数々の活動は、今なお多くの人々に影響を与えていることでしょう。

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