北京政府

北京政府（ペキンセイフ）



概要


北京政府は1913年から1928年にかけて中華民国に存在した政府であり、正式な国号は中華民国政府です。北洋政府とも呼ばれることが多く、特に中華圏では一般的に北洋政府と表現されます。台北に中央政府を置く中華民国とは対照的に、北京は中華人民共和国の首都として使用されています。

主要な歴史的背景


袁世凱政権（1913年 - 1916年）


中華民国は1911年の辛亥革命によって成立し、1912年に南京で初代大総統が就任しましたが、当時も北京には清朝の権威が残っていました。袁世凱はその後、南京から北京へと政府を移し、大総統に就任しました。彼は強力な北洋軍閥の支持を受けつつ中央集権的な政治を行い、議会制民主主義の動きを抑圧して独裁体制を強化しました。この過程で彼は地方勢力の統制を図り、中国の分割を防ぐために列強諸国の支持を利用しました。

袁世凱政権は一時的に安定しましたが、国内では反袁派の運動も活発化し、第二革命が起こりましたが、袁世凱はこれを鎮圧し、さらには正式な大総統に就任します。しかし、彼の政権は1916年に急速に衰え、病死によって終焉を迎えました。

安徽派政権（1916年 - 1920年）


袁世凱の死後、黎元洪が大総統に就任しますが、内乱が続き、その間に政権は分裂しました。安徽派と直隷派に分かれ、段祺瑞が安徽派を率いて政権を掌握するものの、南方勢力との対立が続きました。段祺瑞は南征を試みるも失敗し、最終的には直隷派との戦争に敗れ実権を失うこととなります。

直隷派、奉天派連合政権（1920年 - 1922年）


直皖戦争によって直隷派と奉天派が連携し政権を握りますが、新国会の正統性を巡る争いから混乱が続きました。最終的には直隷派が優位に立ちます。

直隷派政権（1922年 - 1924年）


この期間は保派と洛派の二派が争い、曹錕の賄選で政権が保持されますが、腐敗や財政問題から国政が混乱します。さらに、段祺瑞の武力を背景にした政権が崩壊し、再び混乱が生じました。

執政府政権（1924年 - 1926年）


馮玉祥が政権を掌握し、議会政治を否定したものの、内部対立が続き、最終的には段祺瑞が政権を握るが、再び直隷派の進攻により政権が崩壊しました。

奉天派、直隷派連合政権（1926年）


この時期は両派の連携が続く中、蒋介石の北伐により実権が失われていきました。最終的には奉天派の張作霖が北京を掌握し、安国軍政府を組織しましたが、北伐軍により1928年に北京政府は消滅しました。

北京政府大総統の一覧



終焉と意義


北京政府は数度の政権交替を経ながらも、内戦や外圧の中でその存在を維持しましたが、最終的には近代中華の形成に大きな影響を及ぼしながら消滅しました。この歴史的過程は中国の政治的、社会的変動を理解する上で重要な要素となっています。

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