傍聴

傍聴の概要

傍聴（ぼうちょう）とは、会議や裁判の進行を側で聴くことを指します。この行為には座席数に制限があるため、傍聴希望者が少なければ席が確保されますが、多い場合は抽選などの手続きが必要になります。

会議における傍聴

国会の衆議院及び参議院、さらには都道府県や区市町村における地方議会では傍聴が許可されています。衆院・参院の本会議を傍聴するには、一般傍聴券または議員紹介券が必要です。一般傍聴券は、当日の先着順で配布されるため、早めに受付所を訪れる必要があります。

2001年に発生したアメリカ同時多発テロ事件以降、一般の傍聴が一時中止となっていましたが、2009年からは再開されました。また、委員会や調査会における傍聴は、議員の紹介を通じて委員長や調査会の会長の許可を得ることで可能となります。

地方公共団体では、定期的な議会や委員会が原則的に公開されており、住民が傍聴することが奨励されています。子育て中の親向けには託児所を設けたり、手話通訳を行うなど、傍聴しやすい環境が整えられている自治体も増えています。

裁判における傍聴

日本国憲法第37条及び第82条により、判決は公開されることが定められています。裁判は原則として公開されますが、特定の事件については裁判官の判断で非公開となる場合があります。この場合、傍聴はできません。

裁判傍聴は、平日の午前10時から午後5時の間に各裁判所で行われており、特に事前の申し込みは不要です。法廷が開いている限り、誰でも自由に入室して傍聴することが可能です。法廷の入り口には、開廷表が掲示されており、現在行われている裁判の情報を確認できます。

注目を集める事件では傍聴希望者が殺到することが頻繁にあります。このような場合、傍聴券が配布される手続きが行われ、指定された場所で集合し、所定の手続きを経て傍聴券を得ます。マスメディア向けの傍聴席は一定数確保されているため、限られた席を巡り競争が激化することがあります。特に、メディアは報道のためにアルバイトを雇い、抽選に並ばせるなどの方法をとることもあります。

さらに、2002年以降は、犯罪被害者保護法により、被害者には優先的に傍聴席を利用できる権利が与えられています。法廷画家はマスコミによって確保された席や専用の法廷画家席を利用することができます。

まとめ

傍聴は、議会や裁判に参加する重要な権利であり、一般市民にも広く開かれています。政府の透明性を促進し、民主主義を支える一環として、その意義は大きいと言えるでしょう。

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