傷だらけのローラ

傷だらけのローラ

「傷だらけのローラ」は、西城秀樹が1974年8月25日にリリースした10枚目のシングルです。この楽曲は、作詞家さいとう大三の初作品で、続編にあたる「ちぎれた愛」や「愛の十字架」と同様、愛をテーマにした情熱的な曲調が魅力です。実際には前曲の「激しい恋」が先にレコーディングされていましたが、秋のリリース向けにこの曲が選ばれました。

ヒットと記録

「傷だらけのローラ」は、オリコンチャートで「激しい恋」に次いで2位を記録し、売上は340,000枚に達しました。この曲は100位以内に24週もランクインする異例のロングヒットとなり、全シングルの中でも最長記録を更新しています。また、第16回日本レコード大賞では前年の楽曲に続き、歌唱賞を受賞。この受賞はポップス歌手としては初の快挙でした。

紅白歌合戦と海外進出

西城はこの楽曲により、『第25回NHK紅白歌合戦』に初出場を果たしました。前年にはレコード大賞の歌唱賞を受賞したものの、紅白には選出されなかったため、彼にとっては特別なステージとなりました。また、1988年のソウル・オリンピック前夜祭では、同曲を歌唱し、日本語の曲が韓国で初めて公式に放送された瞬間でした。この映像は137ヶ国に衛星中継され、多大な影響を与えました。

パフォーマンスとカバー

「傷だらけのローラ」は、西城が歌唱する際に激しいパフォーマンスを必要とするため、脳梗塞の影響で歌唱を控えざるを得ませんでした。しかし、この曲は依然として人気が高く、歌謡ポップスチャンネルの「ファンが選んだベスト20」でも第5位に選ばれました。

紅白歌合戦のステージでは、西城が怪傑ゾロの衣装で登場し、ドライアイスを使った演出を行いました。このパフォーマンスも視聴者に強い印象を与え、「伝説の名唱」と称されています。

さらに、1975年にはフランス語版のレコーディングが行われ、カナダやフランスでリリースされました。特にカナダではヒットチャートで第2位を獲得。カナダの人気歌手ルネ・シマールがこの曲に感銘を受け、フランス語でのリリースの実現を待ち望んでいました。

音楽的な影響

この曲には全体で3曲が収録されており、作詞はさいとう大三が手掛け、作曲と編曲は馬飼野康二が担当しました。1974年から1975年にかけて、西城の声に異常が見られる時期があり、休養が必要と診断されたこともありました。それでも彼は「傷だらけのローラ」を通じて音楽の世界に挑み続けました。

カバーアーティスト

この名曲は多くのアーティストによってカバーされています。例えば、橘高文彦やGackt、桑田佳祐、地球三兄弟など、幅広い世代やジャンルの歌手によってリメイクされています。これにより、「傷だらけのローラ」は今もなお、音楽シーンで重要な位置を占め続けています。

この曲は、日本の音楽史において決して忘れられない存在であり、今後も多くの人々に愛されることでしょう。

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