僧帽筋

僧帽筋（Trapezius）の詳細解説

僧帽筋は、人間の背部表層に位置する筋肉であり、肩甲骨の動きと首の安定に深く関わっています。この筋肉は、肩と首の間で触れることができ、重りを持つなどの動作によってその活動を感じ取ることができます。

僧帽筋の構造と起始・停止

僧帽筋は、以下の起始と停止点を持ち、複雑な走行をする筋線維によって多様な運動を可能にしています。

起始: 外後頭隆起、上項線、項靱帯、第七頚椎から第十二胸椎
停止: 鎖骨の外側1/3、肩峰、肩甲骨の肩甲棘

首から起始する筋線維は下方に、背中から起始する筋線維は上方に走り、それぞれ腕に向かって横方向に走行します。この異なる方向への走行が、僧帽筋の多機能性を支えています。

僧帽筋の機能

僧帽筋は、その線維の走行方向によって異なる機能を果たします。

上部線維: 肩甲骨の挙上（持ち上げ）
中部線維: 肩甲骨の内転（内側に引く）
下部線維: 肩甲骨の下制（引き下げ）
上部・下部線維の共同収縮: 肩甲骨の上方回旋

これらの機能により、僧帽筋は肩甲骨の動きを広範囲に制御し、腕の様々な動作をサポートしています。

神経支配と知覚

僧帽筋は、以下の神経によって支配・知覚されています。

支配神経: 副[[神経]]
知覚神経: 頸神経第三枝、第四枝

和名の由来

僧帽筋の和名は、解剖学書「ターヘルアナトミア」に由来します。この書物において、僧帽筋は「僧侶の被り物」を意味する「Cucullaris」と記述されており、カプチン会修道士がフードを背中に垂らした形に似ていることから名付けられました。同様の由来を持つ名前は、オランダ語やドイツ語にも存在します。

現代では、学名である「trapezius」が世界的に広く用いられています。

僧帽筋に関連する項目

解剖学
人間の筋肉の一覧
ステロイド
後頸三角

僧帽筋は、姿勢の維持、肩甲骨の安定、首の動きなど、多岐にわたる役割を担う重要な筋肉です。日々の生活で意識して使うことで、肩こりや首の痛みの緩和にも繋がります。

参考文献

* Wikipedia: 僧帽筋

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