外後頭隆起

外後頭隆起について

外後頭隆起（がいこうとうりゅうき、英: external occipital protuberance）は、頭蓋骨の後部を構成する後頭骨に存在する特徴的な突起です。具体的には、後頭骨の後頭鱗と呼ばれる平らな領域の中央付近に位置しています。

概要

外後頭隆起は、体表から触診によって確認できます。後頭部の生え際から少し上方に指を当てていくと、正中線上に骨の隆起として感じ取ることができます。この隆起の中でも最も突出した点がイニオンと呼ばれています。

外後頭隆起は、単なる骨の隆起ではなく、重要な役割も担っています。それは、項靭帯と僧帽筋が付着する場所であるという点です。これらの組織を介して、頭部の支持や運動に関わっています。

また、興味深いことに、外後頭隆起の大きさには性差が見られるという研究結果があります。16世紀のアナトリア人の骨を調査した結果、統計的に女性の骨では男性の骨に比べて、外後頭隆起があまり目立たない傾向があることが判明しています。

外後頭隆起からは、外側に向かって左右に上項線（英: superior nuchal line）が伸びています。さらに、その上方には最上項線（英: highest nuchal line）がかすかに見られます。

イニオンの詳細

イニオン（英: inion）は、前述の通り外後頭隆起の最も突出した点であり、「外後頭隆起点」とも呼ばれます。ギリシャ語の「ἰνίον (iníon)」に由来し、これは後頭骨そのものを意味します。

イニオンは、医学的な分野でも重要な役割を果たしています。特に脳波検査においては、電極配置の際の目印として利用されています（10-20法）。

参考情報

頭蓋骨
後頭骨
後頭骨#後頭鱗
内後頭隆起
後頭髷

参考文献

Drake, Richard (2011). グレイ解剖学 (原著第2版 ed.). エルゼビア・ジャパン. ISBN 978-4860347734

外部リンク

* Anatomy diagram: 34257.000-1 - Roche Lexicon - illustrated navigator. Elsevier.（2012年7月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月19日閲覧）

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