元勲

元勲とは

元勲は、歴史的な王政復古、すなわち朝権の回復に大きな貢献をした人物を指す用語である。特に近代の日本では、明治維新によって政治に影響力を持った政治家たちを特にこの言葉で表現することが多い。

元勲の歴史的背景

元勲という言葉の始まりは、1882年に起こった岐阜事件に由来する。この事件は、板垣退助が暴漢に襲われ、その際に明治天皇が彼を「国家の元勲」と称賛したことに端を発する。この発言は、他の多くの功績を持つ政治家たちを含む「国家の功労者」という認識を高め、結果として「元勲」の言葉が広まるきっかけとなった。

1885年頃からこの言葉は主にマスコミなどで使われ、最初は板垣退助だけでなく、大久保利通や西郷隆盛、木戸孝允、三条実美といった初期の重要人物を指していた。その後、伊藤博文など後の世代も元勲とされるようになったが、当初は「元老」との混同も見られた。

明治政府の形成における元勲の役割

明治時代には、元勲たちは新政権の確立と安定に向けて多大な影響を与えた。特に、彼らが戊辰戦争において戦った経験が、維新後の政治の基盤を作る上で重要だった。内閣制度の発足後も、伊藤博文や山県有朋、黒田清隆などが元勲の称号を受け、政治の中心で活躍することになった。その中には、明治維新当時は政治的な影響力を持たなかった人物も含まれていた。

元勲の出身地と人物

元勲は日本各地から集まり、様々な藩の出身者が名を連ねている。以下に主な人物を出身地別にまとめてみる。

• - 京都出身: 岩倉具視、三条実美、西園寺公望
• - 薩摩出身: 西郷隆盛、大久保利通、小松清廉、大山巌、松方正義
• - 長州出身: 大村益次郎、木戸孝允、前原一誠、伊藤博文、山県有朋
• - 土佐出身: 板垣退助、後藤象二郎
• - 肥前出身: 副島種臣、大隈重信
• - 肥後出身: 横井小楠
• - 紀州出身: 陸奥宗光
• - 福井出身: 由利公正
• - 幕府出身: 勝安芳

以上が明治日本における元勲の姿であり、彼らの多様な背景や功績が新しい国家を形成するためにどのように寄与したかがわかる。

参考文献

• - 山脇之人『維新元勲十傑論』 - 国立国会図書館デジタルコレクション
• - 伊藤之雄『元老―近代日本の真の指導者たち』中央公論新社、2016年。ISBN 978-4-12-102379-7。

関連項目

• - 元老
• - 藩閥
• - 維新の三傑

このように、元勲は日本の近代史において重要な役割を果たした人物たちであり、彼らの影響は現在に至るまで続いている。

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