元統 (東遼)

元統（げんとう）は、金の時代に耶律留哥（やりつりゅうか）が東遼政権を樹立し、自立した際に使用した私年号です。1213年旧3月から1216年まで用いられました。

元統の時代背景

金の時代末期、モンゴル帝国の侵攻により金国は衰退の一途を辿っていました。そのような状況下で、遼の皇族の末裔である耶律留哥は、故地である遼東地方において勢力を拡大し、自立の動きを見せます。そして、1213年に遼王を自称し、独自の年号である元統を制定しました。

元統は、耶律留哥の東遼政権が短期間で滅亡したため、わずか3年ほどしか使用されませんでした。しかし、金の支配からの脱却を目指し、遼の復興を夢見た耶律留哥の独立の気概を示すものとして、歴史に名を刻んでいます。

西暦等との対照表

元統の出典

『元史』巻1 本紀第1 太祖に以下の記述があります。

八年癸酉春，耶律留哥自立為遼王，改元元統。

この記述は、1213年春に耶律留哥が自ら遼王となり、元号を元統に改めたことを示しています。

参考文献

李崇智　『中国歴代年号考　修訂本』（北京：中華書局，2001年1月） ISBN 7101025129　190ページ。
鄧洪波編　『東亜歴史年表』（台北：台湾大学出版中心，2005年3月） ISBN 9860005184　206 - 207ページ。

関連項目

元号一覧 (中国)
他政権の元統

元統という年号は、他の政権でも使用例があります。例えば、ベトナムの莫朝でも元統という年号が使用されました。中国の元号制度は、周辺諸国にも影響を与えたため、同様の年号が複数存在することがあります。

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