元長町

元長町（もとながまち）

元長町は青森県弘前市に所在する地域であり、江戸時代から現代にかけて多くの歴史を有しています。2017年6月1日現在での人口は26人、世帯数は15世帯で、郵便番号は036-8198です。元長町はその名の通り、長い歴史を持つ町であり、地理的には周囲の町と接しており、地元の人々に愛されています。

地理

元長町は、北部で下白銀町と接しており、北東には元寺町、東側には親方町、そして東から南へかけては本町、西には元大工町に隣接しています。この地域の地理的な配置は、交通や商業活動において重要な役割を果たしてきました。また、町の発展も周囲の町とのつながりによって促進されています。

歴史

元長町の歴史は江戸期にまでさかのぼります。正保3年には町屋という名前だけが存在し、現在の町名はまだ定まっていませんでした。この当時、町域は弘前城東門から南北に伸びていたことが古い絵図からわかります。

慶安2年には、町の南側が上長町、北側が下長町と呼ばれており、屋号のある商家が20軒ほど存在し、豆腐屋や魚屋などの店舗もあったとされています。これにより、地区内には多様な商業活動が行われていました。

寛文13年にはすでに「長町」という名称が存在し、元禄年間には下長町としての町割りが行われて、郭外にあった武家屋敷が移転してきたことから、現在の元長町の形が形成されました。

享保4年には町の東側が町屋、西側が武家屋敷とされており、寛政12年には具体的な統計として武家屋敷が5軒、町屋が24軒存在していたことが示されています。このように、歴史の中で元長町は都心部の一部として重要な役割を果たしてきました。

天保8年には、再度町内が分かれて構成されたことが確認され、嘉永5年には著名な思想家・吉田松陰が町の伊東広之進の家を訪れ、国事について議論を交わした記録も残っています。現在、この場所には「松陰室」と名付けられた部屋が存在しています。

沿革

江戸時代には弘前城下の一町として知られていましたが、明治初年から明治22年までは弘前を冠した名称を用いていました。1899年には弘前市に正式に所属することとなり、その後も地域の発展を見守っています。

地名の由来

元長町の地名はかつてこの地域が南北に伸びていたことに由来しており、地域の特性を反映しています。時間の経過とともに町の形状は変わっていますが、名残を留める地名として現在も使用されています。

施設

元長町には様々な教育・医療・商業施設があります。たとえば、教育機関として養生幼稚園があり、地域の教育を支えています。医療施設としては伊東内科・小児科が地域の健康を守る役割を果たしています。また、商業施設としては東北電業があり、地元の生活に密着したサービスを提供しています。宿泊施設には旅館江戸川があり、観光スポットとして青森銀行記念館もあります。

交通

交通アクセスは弘南バスが運営しており、本町（土手町循環100円バスなど）や青森銀行前（弘前駅 - 金属団地・桜ヶ丘線など）に停留所があります。これにより、地域住民や観光客の移動がスムーズに行える環境が整っています。

元長町は、歴史ある町名を引き継ぎながら、今日に至るまで多くの人々に支持される場所となっており、地域の文化が息づいている貴重な地域です。

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