光岡・マイクロカー

マイクロカー：光岡自動車が創造した個性的な一人乗りミニカーの世界

光岡自動車は、かつて斬新なデザインで知られる個性的な一人乗りミニカー、マイクロカーシリーズを製造・販売していました。本記事では、このマイクロカーシリーズの歴史、特徴、そして数々のモデルについて詳細に解説します。

マイクロカーシリーズの概要

マイクロカーは、光岡自動車の従来のミニカーシリーズ「BUBU」を継承する形で誕生しました。10年以上にわたる販売期間中に、多様なデザインのモデルが展開され、独特の存在感を示しました。

法律上は原動機付自転車に分類されるため、車検や車庫証明は不要です。しかし、道路交通法上は自動車として扱われるため、運転には普通自動車運転免許（AT限定可）が必要です。高速道路の走行はできません。キャッチコピーは「ちょいとそこまで 下駄車」という、その手軽さを表現したものでした。

さらに、ユーザーが自身で組み立てられるキットカー仕様も存在しました。エンジンが完成済みのキットや、エンジンも自作するキットなど、様々な選択肢が用意されていました。完成後は公道走行が可能で、ユーザーは車体番号や車名も自由に決定できました。福音館書店『おおきなポケット』2001年1月号では、マイクロカーの組み立て風景が紹介され、注目を集めました。埼玉県さいたま市大宮区には、かつてマイクロカー専門の正規アンテナショップがありました。

マイクロカーシリーズのモデルたち

1998年から2007年にかけて、マイクロカーシリーズには様々なモデルがラインナップされました。

初代モデル (1998年-2007年)

MC-1/K-1/K-2 (1998年7月発売): MC-1とK-1は共通のデザインで、ドアやリアウインドウを持たないシンプルなスタイルが特徴です。K-2はメッサーシュミット「TG500タイガー」を思わせるデザインで、左側にドアが設置されていました。
MC-1T/ME-1 (1999年4月発売): MC-1の後部を延長し、荷台を設けたMC-1Tとその電気自動車仕様であるME-1が追加されました。
ME-2 (2002年10月発売): 公募で命名された「CONVOY 88」は、全幅88cmという狭さを特徴としていました。アメリカンなコンボイをイメージしたデザインが印象的でした。トミカとのコラボレーションモデルや、航続距離100kmのリチウムイオンバッテリー搭載モデルも限定生産されました。
K-3 (2005年8月発売): 光岡自動車のゼロワンのデザインコンセプトを踏襲したモデルで、「マイクロタイプF」という上級仕様も存在しました。
* K-4 (2006年11月発売): 1930年代のフォーミュラカーをモチーフとしたデザインで、220台限定販売されました。

2007年1月、排ガス規制強化をうけ、MC-1/MC-1T/K-1の生産が終了。同年8月にはME-2の生産も終了し、マイクロカーシリーズは10年の歴史に幕を閉じました。

マイクロカーシリーズの遺産

マイクロカーシリーズは、その独創的なデザインと、手軽な移動手段としての魅力で多くの注目を集めました。販売期間は終わりましたが、その個性的なスタイルは、現在でも多くの人の記憶に残る存在です。 小型でユニークなマイクロカーは、光岡自動車の挑戦と創造性を象徴するモデルとして、自動車史にその名を刻んでいます。

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