光岡・ロックスター

光岡自動車 ロックスター：往年の名車へのオマージュと現代技術の融合

光岡自動車は、2018年、創業50周年を記念して、特別なモデル「ロックスター」を発表しました。ベース車両はマツダ・ロードスター（ND型）ですが、エクステリアは1960年代のシボレー・コルベットC2を彷彿とさせる、クラシックカー風のデザインに大胆にアレンジされています。開発コンセプトは「やんちゃ×スタイリッシュ×楽しさ」。ヒミコとは対照的に、男性的な力強さとワイルドさを兼ね備えたスタイルが特徴です。キャッチコピーは「俺たちの「永遠」。」。

デザインとメカニズム

ロックスターのデザインは、光岡自動車のオロチも手がけた青木孝憲氏によるものです。当初はコルベットをモチーフとする予定はありませんでしたが、デザインの模索の中で、青木氏の少年時代の記憶を呼び覚ますようなスケール感と佇まいが形作られていきました。

ベース車両であるロードスターの主要機構、例えばP5型1.5L直列4気筒エンジンなどはそのまま継承されています。しかし、よりバランスのとれたプロポーションを実現するため、全長を430mm延長。ホイールベースは変更されていません。この延長によって、クラシックカーらしい伸びやかなシルエットが強調されています。

生産と販売

ロックスターは限定200台という希少性も魅力です。発表時には既に50台が完売しており、大きな注目を集めました。グレードはロードスターと同じく「S」と「S Special Package」の2種類が用意され、どちらもマニュアルトランスミッション専用です。

2019年3月には、全200台の完売が発表されました。同年7月には富山県富山市にある本社工場で第1号車のラインオフセレモニーが開催され、その後順次生産、出荷されました。生産計画は2019年に50台、2020年に75台、2021年に75台というスケジュールで進められ、2021年には最終生産車がラインオフしました。

ロックスターの完売を記念して、2022年1月には1台限りの特別仕様車「Rock Star 2.0 LHD Only1 Special」が抽選販売されました。これはカナダ仕様のMX-5をベースに、左ハンドル仕様、2.0Lエンジンを搭載した特別な1台でした。

車名の由来

開発当初は「タイプカリフォルニア」という名称で開発が進められていましたが、青木氏が2018年の夏に見たオールディーズロックのコンサートで、老若男女が音楽を純粋に楽しむ姿に感銘を受けました。その感動を顧客に伝えたいという思いから、「ロックスター」という名前に変更されました。

まとめ

光岡ロックスターは、往年の名車へのオマージュと現代の技術が融合した、唯一無二のオープンカーです。限定生産という希少性も相まって、多くの自動車ファンを魅了しました。そのデザイン、走り、そして希少性から、コレクターズアイテムとしての価値も高いと言えるでしょう。 クラシックカーの魅力と現代の走りを両立した、ロックスターは、日本の自動車史における重要な一ページを刻んだと言えるでしょう。また、劇中にも登場するなど、エンターテイメントシーンにも貢献しています。光岡自動車の挑戦と情熱が凝縮されたこのモデルは、これからも多くの人の心を掴み続けることでしょう。

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