光進丸

光進丸の物語

光進丸（こうしんまる）は、日本の俳優兼歌手である加山雄三がオーナーとして知られるプレジャーボートです。この船は静岡県賀茂郡西伊豆町にある安良里漁港に停泊していました。

歴史と音楽

1978年に、光進丸をモチーフにしたシングル「光進丸」がリリースされました。この楽曲は、加山雄三が「弾厚作」という名義で作曲し、松本隆が作詞を手がけています。楽曲は同年9月14日放送のTBSテレビ『ザ・ベストテン』で初披露され、2008年には番組の放送30周年を記念して発売されたコンピレーションCD『ザ・ベストテン』の『スポットライト編2』に収録されました。

光進丸の設計と建造

光進丸は、加山雄三自身がデザインを手掛けたもので、1982年には早美造船が船体を建造し、内装は神戸装飾が担当しました。この船は、加山雄三の音楽活動と密接に結びつき、彼のシンボル的存在となっています。

船舶火災の発生

しかし、光進丸の運命は2008年以降に大きく変わります。2018年4月1日、その停泊していた安良里漁港の沖合で火災が発生しました。火が起きた時、船内には誰もおらず、幸いにも死者や負傷者は出ませんでした。消火活動が行われ、火は約3日後に鎮火しましたが、船体に残っていた水の排水作業中に船は横転し、沈没しました。横転の原因は、火災の際にできた亀裂から海水が入り込んだと見られています。引き上げられた船体は、清水港へ運ばれました。

出火原因とその影響

火災の際には、光進丸のエアコンが稼働しており、出火当日に点検が行われた結果、異常は確認されていませんでした。警察によると、電気系統のトラブルが原因とされているものの、事件性はないとのことです。事件の影響を受けて、加山雄三は沖縄でのコンサート中に火災の知らせを受け、精神的な影響を考慮しつつ、予定されていたコンサートを延期しました。

加山雄三の反応

火災から約2か月後の6月16日、東京国際フォーラムで行われたライブ「ゴー!ゴー!若大将FESTIVAL 2018 in TOKYO」では、加山雄三が光進丸への感謝を語り、「役割を果たしてくれた」と話したことが印象的です。また、解体チームのサルベージ船の奇妙な名前「幸神丸」についても言及し、新たな船の建造への意欲を示しました。

光進丸は単なる船ではなく、加山雄三の音楽と人生の一部として、これからも多くの人に記憶され続けることでしょう。

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