賀茂郡

賀茂郡（かもぐん）について

賀茂郡は、静岡県の伊豆国に位置する郡です。古代の記録においては「加茂郡」とも表記されることがあります。この地域は、現在のところ、東伊豆町、河津町、南伊豆町、松崎町、西伊豆町の5つの町を含んでいます。賀茂地区としても知られ、現在の人口は約35,891人、面積は478.97平方キロメートルです。人口密度は約74.9人/km²となっています。これらの数値は2024年9月1日の推計に基づいています。

郡域の歴史

古代の賀茂郡の範囲は伊豆半島南東部に広がり、特に東伊豆町から南伊豆町の石廊崎にかけてと、広くは伊豆諸島にまで及ぶとされています。古文書に記載された名刹、郷名は「賀茂」「月間」「川津」「三島」「大社」の5つですが、平城京跡から出土した木簡には「色日」と「稲梓」の2つの郷も含まれていました。これらは現在の地名と関連付けられています。

• - 賀茂（かも）: 南伊豆町の上賀茂・下賀茂にあたります。
• - 月間・築間（つくま）: 南伊豆町の湊地区に見られます。
• - 川津（かわづ）: 河津町には賀美、賀茂、神竹、湯田という里があります。
• - 三島・三嶋（みしま）: 伊豆大島または三宅島に関連しています。
• - 大社（おおやしろ）: 下田市の白浜が当てはまります。
• - 色日（いろひ）: 石廊崎に位置し、いくつかの里の名が確認されています。
• - 稲梓（いなずさ）: 旧・稲梓村にあたります。

郡衙の正確な位置は不明ですが、南伊豆町の下賀茂地域には、古代の神社が存在し、弥生時代後期から平安時代の大集落跡が発見されています。また、伊豆諸島にある神津島には賀茂郡に記載される神社も存在しています。

近世の歴史

近世期には、伊豆半島の東岸地域が加えられ、元禄時代には那賀郡から一部が新たに編入されました。1879年には、行政区分としての賀茂郡が発足し、当時の郡域は熱海市、伊東市、下田市、南伊豆町、東伊豆町及び河津町の全域、さらに伊豆市の一部や松崎町の一部が含まれました。

近代以降の沿革

明治維新以降、賀茂郡は数回にわたり行政区画の変遷を経験します。1868年に地域の支配構造が変わり、1871年には全域が足柄県に属するようになりました。その後、地域統合や村の合併が進み、1889年には町村制が施行され、賀茂郡の町村が成立しました。1945年から1956年にかけて、複数の町と村が統合されて現在の町村が形作られ、1958年には河津町が発足し、その後の行政区画としての変化も経て現在に至ります。

自然と文化

賀茂郡は、その美しい自然と共に、古くからの文化遺産に富んでいます。伊豆半島の海岸線や山々、温泉地は観光名所として知られ、自然観光の拠点としても知られています。また、地域の祭りや伝統行事も地域の文化を支えています。多くの観光客が訪れるこれらの場所は、郡の魅力を伝え続けています。

このように賀茂郡は、歴史的背景と自然に恵まれた地域であり、訪れる者に多くの体験を提供しています。

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