兎出血病

兎出血病とは

兎出血病（うさぎしゅっけつびょう）は、その名の通り兎に特有の感染症であり、兎出血病ウイルスによって引き起こされます。この病気は国際獣疫事務局によってリストB疾病に分類されており、日本においても家畜の伝染病予防法によって届出伝染病として認識されています。対象となるのは主に兎ですが、特に若い個体は重篤な症状を示しやすいことが知られています。最近では、法令上の名称が「兎ウイルス性出血病」から「兎出血病」に改訂されました。

ウイルスの特徴

兎出血病ウイルスは、RNAウイルスに分類されるカリシウイルス科ラゴウイルス属に属しています。このウイルスは接触を通じて、または節足動物によって機械的に伝播されることがあります。特に致死率が高く、一旦感染すると急速に症状が進行します。

主な症状

感染した兎は、発熱、元気の消失、食欲不振といった症状を示し、通常は数日以内に死亡します。ただし、症状が現れずに突然死する場合も少なくなく、非常に危険な疾患です。専門家によると、腎臓や肝臓、肺などの全身の臓器に出血が発生することが確認されています。

発症の傾向

これまでの研究では、生後8週間を過ぎた兎が特に重症化しやすいという傾向がありましたが、2010年以降は年齢に関係なく発症する新たな系統のウイルスが出現しています。これにより、従来の知識が通用しなくなってきているのが現状です。

予防と治療

現在、兎出血病に対する不活化ワクチンが開発されてはいるものの、日本国内では実用化されていないため、感染した兎が発見された場合は、基本的に淘汰されることになります。これは、感染拡大を防ぐための最も効果的な手段とされています。

まとめ

兎出血病는感染した兎にとって非常に致命的なリスクを伴う病気であり、早期発見と適切な対処が必要です。ウイルスの性質や症状を理解し、健全な飼育環境を整えることが重要です。情報の不足や感染対策の不備がもたらすリスクを回避するため、飼主や獣医師は常に注意を怠らないようにしましょう。特に、症状が現れた場合には、迅速な対応が求められます。

もう一度検索