児島湾締切堤防

児島湾締切堤防の概要

児島湾締切堤防（こじまわんしめきりていぼう）は、岡山県岡山市南区の築港地区から郡地区を結んでいる堤防です。この堤防は、児島湾の干拓地が抱える水不足、塩害、浸水といった様々な問題を解決する目的で建設され、1951年に着工し、1959年に完成しました。全長は1,558m、幅は30mであり、岡山県が国から委託を受けて管理しています。堤防の完成により形成された淡水湖が児島湖です。

設立の背景と目的

児島湾は、淡水の供給が難しい地域であり、農業や生活において深刻な影響を及ぼしていました。このため、堤防を建設して河川の水を淡水化し、干拓地の安定した水供給を実現しようとしました。国と県はこの事業に対し、農業用水の確保だけでなく、地元の人々の生活環境を改善するための重要なインフラと位置づけました。堤防の東側には海水、西側には淡水が広がり、明確な境界を形成しています。

歴史の歩み

• - 1951年2月: 国営児島湾沿岸農業水利事業としてプロジェクトが始動。
• - 1959年2月: 児島湾が締め切られ、淡水化が開始される。
• - 1961年3月: 国営事業が完了し、児島湾締切堤防が正式に完成。
• - 1961年10月18日: 児島湖交通産業株式会社が管理する有料道路として開放される。
• - 1974年10月1日: 堤防の道路が無料開放される。

堤防道路の発展

最初の計画には、堤防の利用として農業用水の確保に加え、国鉄宇野線の短絡線や岡山市と玉野市を結ぶ道路の計画も含まれていました。しかし、鉄道と道路の計画は早期に放棄され、堤防は農業用水専用として機能することになりました。その結果、児島湾土地改良区が堤防と湖岸堤防の管理を行うこととなり、管理費用を捻出するために有料道路化が propostaされました。一方で、他の関係者は公共の財産であるため、無料開放を求めていました。

堤防完成から2年間の協議の結果、1961年から有料道路として利用が開始されました。しかし、住民の間には無料開放を求める声が高まり、デモなどの実力行使も行われました。この間、市議会でも無料化の議論が続きましたが、県、市、および改良区の意見がまとまらず、状況は膠着状態にありました。

1974年になると、揚水施設の管理費が国と県、市町村で分担され、堤防の管理が県に一元化されることで、ようやく無料開放に至りました。その後も利用者は増加し、1978年には一日あたり1万台の交通量を記録するようになりました。

結論

児島湾締切堤防は、地域の農業の安定と住民の生活環境の改善に寄与してきました。その歴史は多くの人々の協力と努力によって築かれており、現在でも重要な役割を果たしています。

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