児玉泰介

児玉泰介：マラソン界の先駆者、指導者としての足跡

児玉泰介（こだま たいすけ、1958年7月26日生まれ）は、日本の陸上競技界において、マラソン選手として、そして指導者として多大な貢献をしてきた人物です。彼の輝かしい経歴を辿ります。

生い立ちと旭化成入社

鹿児島県薩摩郡東郷町（現在の薩摩川内市）出身の児玉は、川内実業高等学校（現れいめい高等学校）を卒業後、陸上競技部があった宮崎県の旭化成に入社しました。旭化成では、選手として才能を開花させ、数々の記録を打ち立てていきます。

マラソン選手としての輝かしい実績

1986年、児玉は別府大分毎日マラソンで2時間10分34秒という好タイムで優勝。これは当時の日本歴代9位に相当する記録でした。同年10月には、北京国際マラソンに出場し、ジュマ・イカンガーや伊藤国光といった強豪選手を抑え、2時間7分35秒で優勝を果たします。この記録は、当時のマラソン日本最高記録となり、1999年に犬伏孝行によって更新されるまで、12年もの間破られることはありませんでした。

指導者としての新たな挑戦

1990年、児玉は旭化成陸上部のコーチを兼任し、指導者としてのキャリアをスタートさせます。1993年に選手としては第一線を退き、三菱重工長崎マラソン部の監督に就任。2003年3月まで指導にあたりました。翌2004年4月には、古巣である旭化成に戻り、2008年3月まで陸上部女子監督を務めました。

愛知製鋼での革新的な取り組み

2009年4月、児玉は中山竹通の後任として愛知製鋼陸上競技部監督に就任します。在任中には、「これから日本が世界で戦える競技は男子競歩」という先見の明に基づき、会社に進言し競歩選手の採用を開始しました。外部から競歩専門の内田隆幸コーチを招聘し、西塔拓己、丸尾知司、そして世界陸上金メダリストの山西利和らを育成しました。この取り組みは、日本の競歩界に新たな風を吹き込み、世界で活躍できる選手を育成する礎となりました。

2022年4月、児玉は監督を退任し、アドバイザーに就任。長年にわたり培ってきた経験と知識を活かし、チームの更なる発展に貢献しています。

家族

長女の光代もサニックスで陸上競技をしていましたが、同社の女子陸上部は2007年3月31日に廃止されています。

マラソン成績

* 自己最高記録：2時間07分35秒（1986年10月、北京国際マラソン優勝時）

児玉泰介は、選手として輝かしい記録を打ち立てるだけでなく、指導者としても多くの選手を育成し、日本の陸上競技界に多大な貢献をしてきました。彼の先見性と情熱は、これからも多くの人々に影響を与え続けることでしょう。

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