児童ポルノ流通防止協議会

児童ポルノ流通防止協議会は、2009年6月2日に発足した協議会です。この協議会は、警察庁の検討会および総合セキュリティ対策会議において提案された、インターネット上での児童ポルノの流通を防止するための具体的な対策を検討するために設立されました。

協議会は、児童ポルノの流通防止対策に関わる様々な関係者で構成されています。具体的には、関連事業者、児童ポルノの流通防止に取り組む民間団体、そして学識経験者などが参加しています。

事務局は、主に警察の外郭業務を受託している財団法人インターネット協会に置かれました。

2010年12月20日には、2010年度中の児童ポルノのブロッキング実施を目指し、「児童ポルノ掲載アドレスリスト作成管理団体」の選定と、その運営に関する詳細事項を審議するために、児童ポルノ流通防止対策専門委員会が発足しました。協議会の構成員は、この専門委員会へ移行する形となりました。

その後、児童ポルノ掲載アドレスリスト作成管理団体として一般社団法人インターネットコンテンツセーフティ協会（ICSA）が2011年3月3日に設立されました。正式決定を経て、2011年4月1日から賛同するISPに対してアドレスリストの提供を開始しました。

会議の目的

2009年3月に提出された総合セキュリティ対策会議の報告書では、インターネット上での児童ポルノ流通を防止するための手法として、以下のようなものが提案されました。

警察における取締体制の強化
インターネットカフェでの利用者本人確認の実施
サイト管理者等による削除
ISPによるブロッキング
検索エンジンにおける元データからの削除
インターネット利用者によるフィルタリングの活用

これらの対策を効果的に実施するため、児童ポルノに関する情報をリスト化し、リスト上の情報について検証を行い、対策実施者に提供する児童ポルノ掲載アドレスリスト作成管理団体の設置が提唱されました。

協議会は、これらの提案を総合的に検討し、より効果の高い手段を講じることを目指しました。具体的には、リストを対策実施者に提供する管理団体から情報を提供し、全体を統制する体制を構築するための協議の場として開かれました。リスト化に関わる組織や掲載基準をまとめ、2010年までに児童ポルノ掲載アドレスリスト作成管理団体を立ち上げることを目標としました。

また、日本国内でのISPによるブロッキングを実現するため、技術的および法的な課題を整理する方針が定められました。

児童ポルノ掲載アドレスリスト作成管理団体

児童ポルノ掲載アドレスリストを適切に管理するため、2010年1月15日付けでガイドライン案が公表されました。その内容は以下の通りです。

1. 児童ポルノ流通防止協議会が選任した専門委員により専門委員会を組織します。
2. 専門委員会がリスト作成管理団体を選定し、報告を受け、少なくとも年1回審議を行います。
3. リスト作成管理団体は、警察庁及びインターネット・ホットラインセンター（警察庁の業務請負団体）から情報提供を受け、該当性の判断を行います。
4. リスト作成管理団体は、アドレスリストの定期的な確認と管理を行います。
5. アドレスリストは、国内のISP、検索エンジン事業者、フィルタリング事業者だけでなく、専門委員会が特に必要と認めたものにも提供できます。
6. リスト作成管理団体は、規定や措置について警察庁やインターネット・ホットラインセンターから調査を求められた場合、協力義務があります。
7. リスト作成管理団体は、中立性と公平性を損なわないよう配慮します。専門委員会の中立性、公平性の配慮規定は特に設けられていません。

構成員及びオブザーバー

協議会の構成員は以下の通りです（敬称略、50音順）。

猪俣清人：デジタルアーツ（株）経営企画部部長
楠正憲：マイクロソフト（株）法務・政策企画統括本部技術標準部部長
桑子博行：（社）テレコムサービス協会サービス倫理委員会委員長
国分明男：（財）インターネット協会副理事長
後藤啓二：ECPAT/ストップ子ども買春の会顧問・元内閣官房内閣参事官
坂元章：お茶の水女子大学教授
島本学：NTTレゾナント（株）企画部法務考査部門長
白石敏彦：KDDI（株）渉外・広報本部渉外部課長
高橋大洋：ネットスター（株）コーポレートコミュニケーション部部長
苗村憲司：駒澤大学教授（会長代理）
中井裕真：（財）日本ユニセフ協会広報室室長
野口京子：文化女子大学教授（会長）
野口尚志：（社）日本インターネットプロバイダー協会理事・行政法律部会副部会長
藤田一夫：グーグル（株）ポリシーカウンセル
別所直哉：ヤフー（株）CCO（最高コンプライアンス責任者）兼法務本部長
丸橋透：ニフティ（株）コーポレート本部副本部長兼法務部長
宮本潤子：ECPAT/ストップ子ども買春の会共同代表
森亮二：弁護士
吉川誠司：WEB110代表

オブザーバーとして、内閣官房情報通信技術(IT)担当室、警察庁、総務省、経済産業省が参加しました。

関連項目

以下は、関連する法案や規制に関する項目です。

青少年有害社会環境対策基本法案（メディア規制三法）
青少年保護育成条例
青少年育成施策大綱
青少年総合対策推進法案
青少年健全成長阻害図書類規制法案
青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律
子ども・若者育成支援推進法
特定電子メールの送信の適正化等に関する法律
児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律
インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律
特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律
情報通信法案

外部リンク

「児童ポルノ流通防止協議会」の発足について

これらの情報を元に、児童ポルノ流通防止協議会がどのように活動してきたのか、その目的や具体的な取り組みについて理解を深めることができます。

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