入来院定馨

入来院定馨（いりきいん さだきよ）は、宝暦9年（1759年）7月29日に薩摩藩士である入来院定勝の長男として誕生しました。入来院氏は薩摩藩における有力な家柄であり、定馨は25代目の当主としてその家督を継承することになります。

明和6年（1769年）、父・定勝の隠居に伴い、定馨はわずか10歳で家督を相続し、入来領主となりました。若くして領主となった定馨は、領地経営に尽力しました。安永9年（1780年）には、綾地頭職にも任じられ、その手腕を発揮しました。

しかし、天明4年（1784年）8月10日、定馨は26歳という若さでこの世を去ります。その突然の死は、周囲に大きな衝撃を与えました。定馨の死後、弟の定凭が江戸から帰郷する途中で伏見にて亡くなり、家督は嫡男の定矩が継ぐことになりました。

短い生涯ではありましたが、定馨は入来院氏の当主として、領地の発展に大きく貢献しました。特に、寺床湯の山で桜桃の栽培を始めたことは、その功績の一つとして特筆されます。この桜桃の栽培は、後の入来院の特産品となり、地域経済の発展に寄与しました。

定馨の生涯は、参考文献「入来村史」に詳しい記述が残されています。入来院定馨は、若くして亡くなったものの、その後の入来院の発展の礎を築いた人物として、歴史に名を刻んでいます。

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