入来院定勝

入来院定勝（いりきいん さだかつ）は、江戸時代中期に活躍した薩摩藩の武士であり、入来院氏の24代目当主です。父は島津継豊であり、家格は一所持、石高は2662石でした。

生涯

定勝は、父・島津継豊が重度の疝癪による目まいに苦しみ、参勤交代で江戸に滞在中に鹿児島で生まれました。継豊はその後12年間江戸に滞在することとなり、その間に生まれた末子が定勝でした。母方の実家と同族である桓武平氏渋谷氏の流れを汲む入来院氏の23代目当主、入来院定恒の養子となり、元文4年（1739年）に家督を継承しました。

宝暦2年（1752年）には栗野郷の地頭に任命され、宝暦9年（1759年）までその職を務めました。また、宝暦6年（1756年）に作成された「松平又三郎家中分限帳」には、組頭番頭として「2662石　入来院石見」と記載されていますが、これは定勝のことであると考えられています。

定勝は俳諧を積極的に奨励し、北薩地方における俳諧文化の隆盛に大きく貢献しました。彼は俳諧の作法書を著しただけでなく、数多くの句集も残しており、文化面での功績も大きい人物でした。

明和6年（1769年）に隠居し、家督は定馨が継ぎました。その後、天明元年（1781年）に生涯を終えました。

参考文献

「島津氏正統系図」
「鹿児島県姓氏家系大辞典」角川書店
* 「諸郷地頭系図」

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