入江町停留場

入江町停留場の歴史と構造

概要

入江町停留場（いりえまちていりゅうじょう）は、長崎県長崎市新地町に位置していた長崎電気軌道大浦支線の路面電車停留場です。駅番号は46で、主に5号系統が運行していました。この停留場は長崎市内での重要な交通拠点であり、周囲には長崎新地ターミナルと中華街が近接していました。

開業と歴史

入江町停留場は1961年10月5日に開業しました。このとき、当停留場は築町から市民病院前までの新たに設計された軌道区間の中に設置されたもので、旧千馬町停留場から分岐していた大浦支線が改修された際に新設されました。開業後しばらくして、1965年8月28日には入江町付近で大規模な陥没事故が発生。この事故により、同支線は約一ヶ月間運行を休止せざるを得ませんでした。事故の影響で、軌道や周囲の道路が損傷し、バスによる代行運転が実施されました。

その後、入江町停留場は1990年6月17日に、長崎旅博覧会に伴う交通渋滞の緩和策として廃止され、ホームは撤去されました。廃止により、この停留場は長崎市内の歴史の一部として消えていきました。

停留場の構造

入江町停留場は併用軌道区間に位置し、道路上に設けられたホームが特徴です。ホームは2面あり、2本の線路を挟む形で配置されていました。乗客にとっては、電車に乗りやすい構造であり、道を行き来する車両と共存しながら便利に利用できました。

利用状況

1983年の調査によると、入江町停留場の1日の利用者数は1,642人であり、地元住民や観光客にとって欠かせない交通手段の一つでした。この数値からも、停留場の重要性が伺えます。長崎新地ターミナルが近くに位置することから、電車とバスの接続においても非常に便利な立地でした。

周辺環境

入江町停留場は長崎バスの長崎新地ターミナルの前にあり、バスと電車の乗り換えが簡単でした。また、近隣にはイオン長崎店があり、商業エリアとしても賑わいを見せていました。さらに、長崎新地中華街も近く、観光客にも利用されていました。

隣接停留場

長崎電気軌道の大浦支線上に位置しており、隣接する停留場には、築町停留場（駅番号31A/31B）と市民病院前停留場（駅番号47）がありました。これにより、入江町停留場は長崎市内の交通網において重要な役割を果たしていました。

結論

入江町停留場は約30年の歴史を持ち、長崎の交通発展に寄与しましたが、時代の変化と共に役割を終えました。停留場の撤去後も、その存在は長崎市民の記憶に残り続けています。

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