入海貝塚

入海貝塚は、愛知県知多郡東浦町緒川に位置する、縄文時代早期の貝塚です。この貝塚は、入海神社の境内にあり、約7000年前の縄文人の生活様式を今に伝える貴重な史跡として、1953年（昭和28年）11月14日に国の史跡に指定されました。

歴史

入海貝塚は、大正時代初期にその存在が確認されて以来、これまでに4度の発掘調査が行われています。これらの調査によって、縄文時代早期の人々がこの地で生活していた様子が明らかになりました。

貝塚は、入海神社の拝殿と本殿の東側に、幅約10メートル、長さ約80メートルの範囲にわたって分布しています。出土した貝の種類は多岐にわたり、ハイガイが全体の約75%を占め、次いでマガキが約15%となっています。その他、アカニシやシジミなども見つかっており、当時の人々が多様な貝類を食料として利用していたことがうかがえます。

貝殻だけでなく、土器や石器、骨角器、土偶、石鏃（せきぞく）、さらにはシカやイノシシの骨なども出土しています。特に注目されるのは、この貝塚から出土した土器が「入海式土器」と呼ばれ、縄文土器の型式編年を確立する上で重要な役割を果たしている点です。

現地情報

所在地: 愛知県知多郡東浦町緒川字屋敷1区48
交通アクセス: JR武豊線緒川駅から徒歩約10分

入海貝塚は、縄文時代の早期における人々の生活、文化、環境適応を知る上で極めて重要な遺跡です。出土品は、当時の食生活や道具、精神文化を研究するための貴重な資料となっています。また、入海式土器は、土器の様式変化を追跡し、年代を特定するための基準となるもので、考古学研究において重要な意味を持っています。

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* 外部リンク: 国指定文化財 - 東浦町)

入海貝塚は、過去と現在をつなぐ貴重な場所であり、歴史と文化を学び、体験するための素晴らしい機会を提供してくれます。

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