入野貴大

入野貴大： 元プロ野球選手の軌跡

入野貴大（いりのたかひろ）は、1988年11月26日に高知県香美郡野市町（現香南市）で生まれた元プロ野球選手で、ポジションは投手でした。彼は右投げ左打ちという特異なスタイルを持っており、その独自性がプレーにも色濃く反映されていました。

アマチュア時代の始まり

入野は小学4年生の時に地元の「桜ヶ丘スポーツ少年団」で野球を始め、野市中学校では主に内野手として活躍しました。岡豊高校では内野手としての道を歩んでいましたが、3年生の春から投手に転向することになります。その後、彼は日米親善高校野球大会に高知県選抜チームの一員として参加。彼は高校時代通算で10本塁打を記録するなど、打撃にも優れた才能を示していましたが、さらなる成長を目指し進路を選びます。

高校を卒業後、国士舘大学への進学を決めたものの、入学には至らず、広島にあるプロ育成野球専門学院に進むも、その学院は1年で閉校となりました。

独立リーグでの挑戦

2008年、入野は四国・九州アイランドリーグの愛媛マンダリンパイレーツに入団。彼はここで5年間を過ごし、183試合に登板し、17勝9敗14セーブという素晴らしい成績を収めました。特に5年目の2012年は、この年中にNPB入りしなければ野球を引退するつもりでしたが、ドラフト指名はされませんでした。これにより、チームを移る決断を下し、徳島インディゴソックスに移籍しました。

徳島では2013年に中継ぎとして39試合に出場し、圧倒的な成績を残します。特にその年は防御率が0.81と素晴らしい数字を記録し、シーズンMVPにも選ばれました。続く2014年には先発転向を果たし、リーグ優勝に大きく貢献します。見事な成績を収めた入野は、同年のプロ野球ドラフトで東北楽天ゴールデンイーグルスから指名を受け、プロの世界に飛び込みました。

楽天時代の経験

2015年、入野は楽天に入団し、3月29日にプロ初登板を果たしました。しかし、初年度は試行錯誤が続き、成績は安定しなかったものの、9月には初勝利を挙げるなど徐々に存在感を示しました。2016年以降の登板数は限られており、2017年には契約更新の不安も抱えていましたが、育成選手として再契約しようとします。残念ながら、2018年には自由契約となり、楽天での挑戦を終えます。

現役引退後の活動

2019年2月、入野は学生野球資格を回復しました。その後の進路については明らかにはされていませんが、野球界に戻る意志を示していることは注目です。

選手としての特徴

入野の持ち味は、直球の最速が153km/hというスピードと、スライダーやフォークボールといった多彩な変化球です。特に、彼のグラブは故郷の特産であるみかんにちなんでオレンジ色であり、個性が際立ちます。

私生活

彼は、愛媛マンダリンパイレーツ時代に知り合った看護師の女性と2016年に結婚。その際、同じ楽天の選手も結婚したことから「W結婚」としてメディアでも取り上げられました。

入野貴大のキャリアは、逆境を乗り越えた努力の証でもあり、彼のプレースタイルや人柄は今も多くのファンに支持されています。

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