野市町

野市町について

野市町（のいちちょう）は、高知県の中央部に位置していた町で、2006年3月1日に周辺の4町村と合併し、香南市となりました。この地域は、豊かな自然と歴史、文化が息づく場所として知られていました。

地理

野市町は、三宝山（金剛山）を背景に、物部川や香宗川をはじめとする多くの河川が流れる自然豊かな地域でした。これらの河川は、農業用水としてだけでなく、地域の景観を形成する重要な要素でした。

隣接していた自治体は、南国市、香美郡吉川村、香美郡赤岡町、香美郡香我美町、香美郡土佐山田町でした。

歴史

野市町の歴史は、1889年（明治22年）の町村制施行に始まります。当時の野市村が単独で自治体を形成しました。その後、1926年（大正15年）に町制を施行し、野市町となりました。1942年には三島村の一部を編入し、1955年には佐古村・香宗村・富家村と合併して新たな野市町が発足しました。しかし、1955年には一部地域が土佐山田町へ編入されるなどの変遷を経て、2006年に周辺町村との合併によりその歴史を終えました。

行政

野市町の行政は、町長をトップに、収入役や助役、出納室といった組織で構成されていました。教育委員会や農業委員会、選挙管理委員会なども設置され、町民の生活を支えていました。

また、広域行政として、香南消防組合や香南清掃組合など、周辺地域と連携した組織もありました。

産業

野市町の主な産業は農業であり、特に米作りが盛んでした。また、サービス業や卸・小売業も多くの雇用を支えていました。平成12年の国勢調査によれば、サービス業が28.6%、卸・小売業が20.8%、農業が16.2%と、地域経済を支える重要な産業でした。

姉妹都市・提携都市

野市町は、国内の自治体として、沖縄県島尻郡の具志頭村と姉妹都市提携を結んでいました。

地域

教育面では、幼稚園、小学校、中学校に加え、専修学校や職業訓練施設も存在していました。特に、四国職業能力開発大学校附属高知職業能力開発短期大学校（ポリテクカレッジ高知）は、地域の人材育成に貢献していました。

施設面では、図書館や公民館などの文化施設、運動公園や体育館といったスポーツ施設が充実していました。

交通

交通網としては、土佐くろしお鉄道阿佐線（ごめん・なはり線）が通り、のいち駅が設置されていました。また、バス路線も整備され、地域住民の足となっていました。道路網としては、国道55号や複数の県道が走り、近隣地域へのアクセスを支えていました。

名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事

野市町には、高知県立のいち動物公園や四国自動車博物館などの観光スポットがありました。また、創造広場「アクトランド」や龍馬歴史館といった文化施設もありました。祭りやイベントも多く、のいちさくら祭りやのいち花火大会、全日本素人ちんどんコンクールなどが地域を盛り上げていました。

出身有名人

野市町出身の有名人として、明治天皇の内親王の典医を務めた萩原三圭、漫画家の青柳裕介、精神医学者の森田正馬、海援隊隊士の新宮馬之助などがいます。

その他

最寄りの空港は高知空港（南国市）でした。また、野市町には、エチオピア饅頭という地域特有のお菓子もありました。



野市町は、その歴史を通じて、自然と文化、人々の暮らしが調和した、魅力的な町でした。現在では香南市の一部となり、その歴史と文化は、新たな形で受け継がれています。

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