香南市

香南市：高知県東部の魅力あふれる都市

香南市は、高知県東部に位置する市です。北部の山間部は四国山地の一部にあたり、標高300～600メートルに達する山々が連なり、南に向かって里山、そして高知平野へと地形が変化していきます。南側は土佐湾に面し、住吉海水浴場やヤ・シィパークといった海水浴場が点在する美しい海岸線が広がっています。

しかし、香南市は南海トラフ巨大地震による津波の危険性にもさらされています。最大13メートルの津波到達が予測されており、防災対策の強化が重要な課題となっています。

自然と歴史が織りなす風景

市域には、秋葉山、熊王山、金剛山、聞楽山などの山々がそびえ立ち、物部川、香宗川、夜須川といった河川が豊かな水資源をもたらしています。これらの自然環境は、市内各地の景観を形作り、人々の暮らしを支えています。

歴史的な面では、江戸時代に土佐藩領として栄え、1653年に野中兼山によって開発された手結港は、日本最古の堀込式港湾として知られています。石積みの護岸や、漁港機能と景観を両立させる跳ね上げ式の手結港可動橋など、歴史的価値の高い建造物が残されています。

人口と行政

2010年の国勢調査では、高知県内市町村で唯一人口が増加するという快挙を成し遂げました。その後は人口減少に転じましたが、2015年の国勢調査では県内第2位の低い減少率を記録するなど、人口減少対策に一定の成果を上げています。現在、高知県内では高知市、南国市に次ぐ第3位の人口を有しています。

香南市は、2006年に赤岡町、香我美町、野市町、夜須町、吉川村の5町村が合併して誕生しました。市名は、合併前の旧香美郡南部に位置することに由来しています。

行政面では、南国警察署香南警察庁舎、香南市消防本部、香南市消防署などが設置されています。また、野市中央病院などの医療機関、香南市立香我美図書館などの図書館、野市郵便局、赤岡郵便局、夜須郵便局などの郵便局が、市民の生活を支えています。

教育と経済

香南市には、高知県立城山高等学校をはじめとする高等学校、中学校、小学校が多数あります。また、「香南市奨学資金貸与条例」に基づく奨学金制度も整備されており、教育環境の充実にも力を入れています。

経済面では、ニラ、山北みかん、シイラなどが特産品として知られています。商業施設としては、コメリ野市店、フジグラン野市、マツヤデンキのいち店、マルナカ野市店などが市内中心部などに立地しています。香南施設農業協同組合、大三といった企業も市内を拠点として活動しています。

交通と観光

交通面では、土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線が市域を東西に貫き、のいち駅、よしかわ駅、あかおか駅、香我美駅、夜須駅といった駅が利用できます。高知空港へのアクセスも良好です。道路網としては、高知東部自動車道（南国安芸道路）が一部開通しており、国道55号も市内を通っています。路線バスはとさでん交通、高知東部交通、香南市営バスが運行しています。

観光資源としては、手結港、手結の夫婦岩、須留田八幡宮、大日寺（四国八十八箇所第28番札所）、恵日寺、天神の大スギ（国の天然記念物）、絵金蔵（美術館）、高知県立のいち動物公園、四国自動車博物館、龍馬歴史館などがあります。絵金祭りやどろめ祭りといった、地域独特のイベントも開催されています。

著名な出身者

香南市からは、萩原三圭（明治天皇の内親王の御典医）、青柳裕介（漫画家）、森田正馬（精神医学者）、大石弥太郎（土佐勤王党員）、新宮馬之助（海援隊隊士）、野村長平（無人島長平）、29代木村庄之助（大相撲立行司）、初代海山太郎（大相撲幕内力士）、藤田三郎（元全国農協中央会会長）、村田正太（梅毒やハンセン病の研究家）、清藤真司（元香南市長）、山本晴介（無双直伝英信流居合道家）、岩川美花（プロボクサー）、末延道成（東京海上火災保険会長）、黒岩悠（中央競馬騎手）、西内荘（装蹄師）、櫻井つぐみ（レスリング選手）など、様々な分野で活躍した著名な人物が輩出されています。

香南市は、自然と歴史、そして人々の活気に満ちた魅力的な都市です。

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