全国公的介護保障要求者組合

全国公的介護保障要求者組合について

全国公的介護保障要求者組合（ぜんこくこうてきかいごほしょうようきゅうしゃくみあい）は、日本国内において重度身体障害者、特に脳性まひの方々が必要とする公的介護制度の確立を目指して活動する障害者団体です。この組織は1988年に設立され、法人格を持たない「組合」として運営されています。また、組織の機関誌として「SSKO要求者組合通信」が発行されています。

形成の背景

全国公的介護保障要求者組合の前身となる「在宅障害者の保障を考える会」（在障会）は1970年代から存在しており、当時の中で生活保護制度の改善や他人介護料制度の創設について運動を展開していました。1980年代に入ると、全国障害者解放運動連絡会議（全障連）の分科会の中で、在障会の中心メンバーが障害当事者を代表する組織を設立する意義について議論を重ね、1988年にその実現が図られました。

活動内容

その後、全国公的介護保障要求者組合は、自らの活動を通じて重度障害者の生活基盤を支えるため、厚生省や各地方自治体に対して様々な提案を行ってきました。具体的には、介護人派遣制度の確立や拡充、ホームヘルパー制度の充実、そして利用者自らが推薦する人を登録する「登録ヘルパー制度」の導入を求めるなど、多岐にわたる活動に取り組んできました。

さらに1997年には、組合の機能が見直され、今日の息の長い活動を行うために「全国障害者介護保障協議会」と「障害者自立生活・介護制度相談センター」の2つの団体に役割を分担する形で分立しました。全国障害者介護保障協議会では、行政に対する交渉の指針を示す「交渉のやり方ガイドブック」の作成・配布なども行い、障害者の権利擁護と支援を強化しています。

最近の取り組み

2000年代以降は障害者自立支援法に反対する運動にも参加し、注意を喚起しています。2019年の参議院議員選挙では、組合の書記長である木村英子氏がれいわ新選組から出馬し、比例特定枠で当選を果たしました。また、2021年には横浜市で生活をする脳性まひの男性に対して、24時間の介護支援を求める活動が注目され、東京新聞で報じられるなど、メディアにも取り上げられています。

総括

全国公的介護保障要求者組合は、障害者自身が主体的に生きるための支援体制の確立を目指し、引き続き積極的に活動しています。このような活動を通じて、社会全体での障害者に対する理解と支援の強化が求められています。

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