全国出版協会

公益社団法人全国出版協会について

公益社団法人全国出版協会（ぜんこくしゅっぱんきょうかい）は、日本の出版業界を代表する団体であり、出版社および出版取次会社であるトーハンによって構成されています。1949年の設立以来、この団体は出版に関する調査研究や文化の発展を目的とした活動を展開し、出版科学研究所の運営に取り組んでいます。元々は文化庁文化部芸術文化課の所管におかれていた重要な組織です。

設立の背景と目的

全国出版協会は、出版業界の情報を共有し、業界全体の発展を図るために設立されました。その主な活動は、出版科学研究所による調査研究や、様々な文化関連団体との連携です。具体的には、出版業界のトレンドを把握し、情報を集約するための調査活動を行っています。特に、出版指標年報は2001年度の日本出版学会賞を受賞した実績があり、業界内外からも高く評価されています。

出版科学研究所の設立と役割

出版科学研究所は、1959年に東京出版販売（現・トーハン）の内部に設立され、1969年に全国出版協会に移管されました。この研究所は、全国出版協会の実践的な機関として、出版に関する様々な調査研究を行い、その成果を通じて業界の発展に寄与しています。主な活動には、『出版指標年報』などの書籍の発行や、出版セミナーの実施が含まれます。

刊行物の種類

全国出版協会が発行する刊行物は多岐にわたります。中でも、「出版指標年報」は、1958年3月20日に創刊され、毎年4月に発行される重要な書籍です。この年報では、販売金額や販売部数、返品率などの業界データが提供されるほか、書籍や雑誌のジャンル別の市場動向分析なども記載されています。また、年間のベストセラーもまとめられ、出版業界の全体像を把握するための貴重な資料となっています。

次に、「出版月報」は、1959年6月30日に創刊され、毎月発行される冊子です。特定のテーマに焦点を当て、前月の出版統計を基にした特集記事や月間ベストセラー情報が掲載されています。これにより、業界の最新動向や注目テーマについて把握することが可能です。

出版セミナーの開催

全国出版協会では、年に2回出版に関するテーマのセミナーを開催しており、これに参加することで、業界の専門家や関係者との意見交換が可能です。セミナーの内容は出版セミナー講演録として記録され、参加者が後から見返すことができるよう提供されています。

その他の活動

全国出版協会は、1967年5月25日に創刊したニュースの索引という、出版関連の新聞記事の切り抜きを集約した刊行物も提供しています。これは、出版業界の様々な情報が整理されており、業界に関心を持つ人々にとって極めて有益なリソースとなっています。

全国出版協会は、公式ウェブサイトを通じて、さらなる情報発信を行っており、興味のある方はぜひ訪問してみることをお勧めします。

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