全国地域人権運動総連合

全国地域人権運動総連合について

全国地域人権運動総連合（通称：全国人権連）は日本の人権団体で、部落解放運動の流れを汲んでいます。この団体は、公正な社会の実現を目指し、地域の人権問題に取り組んでいます。また、大阪府連合会では、人権連という名称は使用せず、正式には「民主主義と人権を守る府民連合」と称されています。現在の議長は丹波正史氏です。

歴史と背景

全国地域人権運動総連合は、2004年4月3日に行われた全国部落解放運動連合会（全解連）の終結大会を受け、翌日の4月4日に新たに発足しました。この新しい団体は、「部落解放運動の発展的転換」を目標に掲げ、全国各地における人権問題に積極的に関与しています。現時点で、24都道府県に地方組織が設置されているものの、全解連の活動範囲よりも少なくなっています。これは、全解連の解散以降、地域人権連の組織が成り立っていない県が存在するためです。

部落問題に対する見解

全地域人権運動総連合は、部落問題解決のための4つの指標—格差是正、偏見の克服、自立、自由な社会的交流—を「基本的に達成された」と位置づけています。しかし、その一方で、部落解放同盟（解同）については厳しい批判を展開しており、解同を「部落解放運動の伝統を踏みにじる集団」とも規定しています。特に、部落問題の解決には「解同問題に終止符を打たなければならない」という強い立場を貫いています。

メディアへの批判

人権連は、部落差別の問題が報じられることに対しても批判の声を上げています。2009年11月12日には東京で行われた「同和問題セミナー」において、講師の石倉康次氏は、部落差別が出版や報道で語られることについて「逆流現象」と位置づけ、この動きに対する危機感を表明しました。丹波議長も「差別は根強く残っている一方で、現状を無視した論調が多い」と警鐘を鳴らしています。

人権擁護法案に対する見解

人権擁護法案については、その内容が「思想統制」や「言論統制」を招く危険性があるとして反対の立場を取っています。しかし、問題点を改めた新たな「人権擁護法」の制定を求めています。彼らの会員規約では、思想や信条、政治活動の自由が保障されていますが、実際の運営は日本共産党員やその同調者が中心となっており、党との協力関係が見受けられます。

このように、全国地域人権運動総連合は、部落問題の解決に向けて積極的な取り組みを行う一方で、他団体やメディアに対する批判も行い、その存在意義を発信し続けています。

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