全国書店員が選んだおすすめコミック

「全国書店員が選んだおすすめコミック」は、日本出版販売（日販）が主催する著名な漫画賞です。この賞は、全国各地の書店員が自らの経験と読者への推薦の意志をもとに、特に「人にすすめたい」と思うコミックを選ぶことを目的としています。このように、書店員の意見を取り入れることで、一般読者にとって信頼性の高い情報を提供しています。

概要

全国の書店員に対して行われるアンケートを基に、最も評価されたコミックがランキングされます。このアンケートは毎年、前年の10月から12月末までの間に実施され、選考基準としては全5巻以下の作品が求められます。選考の結果、上位15作品が発表され、それらの作品には特別な共通帯が付けられ、書店店頭で特集フェアが展開されることになります。これにより、ランクインした作品が広く読者に知られる機会を得るのです。

選考方法

書店員が意見を出す独自の選考プロセスがこの賞の特徴です。投票権は書店員だけに与えられており、その結果、他の漫画賞やランキングとは一線を画しています。この投票方法により、まだ広く知られていない若手作品が中心に選ばれやすく、現役の書店員のリアルな視点が反映されています。

過去の受賞作

この賞は2006年にスタートし、以来数々の人気作品がランクインしています。例えば、第1回では「働きマン」（安野モヨコ）や「チーズスイートホーム」（こなみかなた）が選ばれ、翌年の第2回でも「ヴィンランド・サガ」（幸村誠）、さらい屋五葉（オノ・ナツメ）など、多くの名作が登場しました。その後も、毎年多くの書店員が参加し、次々と新しい作品が発表されています。

投票数の推移

賞が始まった当初から、投票者数は年々増加しています。2010年には646人の投票がありましたが、2015年には2360人、さらに2020年の一般部門では更なる増加を見ました。このように、賞の知名度が上がるにつれて、書店員たちの参加意欲も高まり、より多くのコミックが評価されるようになっています。

特徴と今後の展望

全国書店員が選んだおすすめコミックは、その独自の視点とプロセスから、他の賞にはない新しいコミックの発見ができる場となっています。書店員は日常的に多くの漫画に触れるため、彼らの推薦には特別な意味があり、多くの読者にとって新しい漫画との接点を創出する貴重な機会です。さらに、書店でのフェアを通じて、ランクインした作品が多くの人に手に取られることを期待されています。

このように、この賞は日本の漫画文化を盛り上げる重要な役割を果たしており、今後も書店員の視点を踏まえた選考が続けられることでしょう。

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