全国発売競走

全国発売競走について

全国発売競走とは、公営競技における特定の競走が、競技場以外の場所でも馬券の購入が可能となるものを指します。この仕組みは、主に競馬をはじめとする様々な公営競技で導入されています。

中央競馬における全国発売競走

中央競馬では、全国の競馬場や場外の勝馬投票券発売所（ウインズ）で、競走の馬券が発売されます。現在では、ほぼ全ての競走の馬券を購入可能ですが、一部のウインズなどでは制限がある場合もあります。

グレード制導入以前の状況

1983年以前は、全国発売される競走は八大競走や特定の重賞競走に限られていました。この時期、関東馬と関西馬が混じって競うのは、特に限られた重賞競走のみにでした。さらに、全国発売が本格的に進んだのは1970年代後半からであり、通常、場外での投票締切は本場の発走の1時間以上前に設定されていました。特に、設備が遅れた北海道地区では、2時間以上も早く締切になることも珍しくありませんでした。このため、パドックや本馬場入場を見た後で馬券を購入することができませんでした。

全重賞全国発売への道

1984年以降、重賞競走は原則として全国発売となり、アラブ系や障害競走といった一部を除いて、全ての重賞競走がこの制度に組み込まれました。

その後、1989年には場外発売の締切時刻が本場と同じになり、1991年には在宅投票システムが導入されるなど、投票システムは大幅に改善されていきます。1994年からは、重賞以外でも東西のメイン競走が全国発売の対象となり、特に北海道の夏季開催については例外的に全国で全競走が発売されるようになりました。

1995年からは、さらなる拡大があり、第3場メインの競走も全国発売の対象に追加。その後、1998年には各場のメイン競走がすべて全国発売の対象となり、2003年には全国全競走の発売に至りました。

地方競馬における全国発売

地方競馬においては、その販売形態が複雑であるため、全国発売競走という言葉は一般的には用いられません。ただし、交流重賞や地域の代表的な競走は原則として全国で発売されていますが、これは「他場発売」という用語が多く用いられています。

競輪における全国発売競走

競輪では、すべてのGP・GI・GII・GIII競走が全国発売され、全国どこでも同じように投票される仕組みです。

競艇の全国発売競走

競艇の競走においても、全てのSGや新鋭王座決定戦、女子王座決定戦、賞金女王決定戦などは全国で発売されるため、多くの選手とファンにとって重要な要素となっています。特に全国発売の対象となるGI競走は「プレミアムGI」と呼ばれることがあります。

オートレースの全国発売競走

オートレースにおいては、すべてのSG及びGI競走も全国発売の対象です。

このように、全国発売競走は公営競技全体に広範囲な影響を及ぼし、様々な形でファンと競技者の両方に便利さを提供しています。

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