全国精神障害者家族会連合会

財団法人全国精神障害者家族会連合会の概要

全国精神障害者家族会連合会（略称：全家連）は、精神障害を持つ患者の家族が互いに支え合うために結成された組織で、1964年に前身の全国精神障害者家族会が設立され、1965年には現在の名称に改称されました。この団体は、精神障害者の家族の意見を政府の政策に反映させることを目指していましたが、偏見のため全国的な組織に成長することは難航しました。

本部は東京都台東区下谷に置かれ、1967年には財団法人化されました。全国の精神障害者家族会を連携させ、より強力なサポート体制を構築するために活動を行ってきました。特に、機関誌『月刊ぜんかれん』を通じて情報発信や啓発活動に努めていました。

沿革

本団体の歴史は1950年代後半から始まり、精神障害者とその家族のための活動が進められました。1964年には全国的な組織として活動が統一され、1965年には正式に全国精神障害者家族連合会として法人化される運びとなりました。以降、いくつかの重要なマイルストーンがありました。1990年に本部ビル「恵友記念会館」を完成させ、1996年にはホテルと授産施設が併設された「ハートピアきつれ川」を設立しました。

事業内容

全家連は、精神障害者の社会復帰を促進するための各種事業を行いました。1994年には、厚生労働大臣から精神障害者社会復帰促進センターに全国で唯一の指定を受け、調査や研究を進めました。また、精神障害者保健福祉手帳の制定にも関与し、障害者の権利向上に寄与しました。

破産・解散の経緯

しかし、2002年、補助金の目的外使用が発覚し、返還命令を受けることとなります。この問題は全家連の財務を圧迫し、負債総額は約10億円に達しました。これにより、ついに2007年4月17日に自己破産を申請し、解散を余儀なくされました。

後継組織とその事情

全家連解散後には、公益社団法人全国精神保健福祉会連合会と認定NPO法人地域精神保健福祉機構が後継組織として設立されました。また、運営していた「ハートピアきつれ川」などは、複数の団体に譲渡されましたが、譲渡先でも財政問題を抱える事態が発生しました。特に、譲渡先の社会福祉法人が補助金を私的な利用に流用したことで、さらに不祥事が発生し、2009年には逮捕者が出る騒ぎとなりました。

結論

全国精神障害者家族会連合会の歴史は、精神障害者家族の支援という崇高な目的で始まりましたが、最終的には内部的な問題と外部的な偏見、財務の不正利用により、破産という結末を迎えました。このような背景から、精神障害者やその家族に対する理解と支援の必要性が一層重要であることが認識されています。

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