全国通運

全国通運株式会社：日本の鉄道コンテナ輸送を支える企業

全国通運株式会社は、日本貨物鉄道（JR貨物）の関連会社として、鉄道コンテナを用いた貨物輸送を主力事業とする企業です。JR貨物との緊密な連携の下、日本の物流インフラを支える重要な役割を担っています。

歴史：国鉄時代から続くコンテナ輸送のパイオニア

1959年の設立以来、全国通運は日本の鉄道コンテナ輸送の歴史と共に歩んできました。当初は通運計算事業からスタートし、その後、倉庫業、内航運送取扱業、自動車運送取扱業へと事業を拡大。1969年には通運事業免許を取得し、自社トラックによる輸送も開始しました。

国鉄時代には、自社所有の鉄道コンテナを導入し、ヤマト運輸、大阪合同通運など多くの企業にリースすることで、コンテナ輸送の普及に貢献しました。特に1985年には、財政難に陥っていた国鉄の救済策として、大量の私有コンテナを投入したことは、同社の歴史において大きな転換点となりました。

国鉄民営化後も、JR貨物との関係を維持しつつ、事業拡大を継続。大型コンテナの導入や、通風コンテナの開発など、時代に合わせて輸送サービスを進化させてきました。近年では、環境問題への配慮から、ゴミ輸送コンテナ専用列車の取扱いにも携わっています。

事業内容：多様な輸送ニーズに対応

全国通運の主要な事業は、鉄道コンテナを用いたインターモーダル輸送です。鉄道、トラック、船舶など、複数の輸送手段を組み合わせることで、効率的で柔軟性の高い輸送サービスを提供しています。

また、単なる輸送事業にとどまらず、倉庫業、通運計算事業など、付加価値の高いサービスも提供しています。これらのサービスを組み合わせることで、顧客の多様なニーズに対応し、最適な物流ソリューションを提供しています。

支社ネットワーク：全国を網羅する拠点

全国通運は、北海道から九州まで、全国各地に支社を展開しています。この広範なネットワークにより、全国各地からの貨物輸送をスムーズに処理することが可能です。各支社は地域に密着したサービスを提供し、顧客の信頼を獲得しています。

具体的には、札幌、仙台、新潟、東京、名古屋、大阪、広島、高松、福岡などに支社を構え、日本全国の物流を支えています。

今後の展望：持続可能な物流システムへの貢献

全国通運は、今後もJR貨物との連携を強化し、鉄道コンテナ輸送の更なる発展に貢献していく姿勢を示しています。同時に、環境問題への配慮や、デジタル技術の活用など、持続可能な物流システムの構築に積極的に取り組んでいます。

時代の変化に柔軟に対応し、顧客のニーズを的確に捉えることで、今後も日本の物流業界において重要な役割を果たしていくことが期待されます。

参考文献

全国通運ホームページ
『日本の貨車-技術発達史-』（貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年）
* 実写データサイト『コンテナの絵本』ホームページ

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