全国高等学校ボクシング選抜大会

全国高等学校ボクシング選抜大会兼JOCジュニアオリンピックカップ：高校ボクシング界の登竜門

全国高等学校ボクシング選抜大会兼JOCジュニアオリンピックカップは、日本ボクシング連盟（JABF）が主催する、高校ボクシング界における重要な大会です。毎年3月に開催され、全国の強豪高校選手たちがしのぎを削る、まさに高校ボクシングの頂点を決める戦いの場となっています。

大会概要

1990年の第1回大会以来、多くの才能あるボクサーを輩出してきた本大会は、インターハイ（全国高等学校総合体育大会）、国民体育大会と並ぶ高校ボクシング三大大会の一つとして知られています。これらの大会をすべて制覇した選手は「高校三冠」、2年連続で制覇した場合は「高校六冠」と呼ばれ、その栄誉は非常に高いものとされています。本大会は3月に開催されるため、理論上は高校八冠まで達成可能です。

本大会の特徴として、個人戦のみで行われる点が挙げられます。そのため、ボクシング部のない高校に所属する選手であっても、JABF加盟のボクシングジムに所属していれば参加資格があります。これは、多くの選手にチャンスを与え、才能の発掘に繋がるシステムと言えるでしょう。

階級についても言及が必要です。当初は存在しなかった階級も、時代の流れと共に新設されてきました。具体的には、ピン級（第23回大会より）、ミドル級（第26回大会より）が追加されています。また、ジュニアの試合時間については、通常は1ラウンド2分ですが、本大会ではシニアと同じ1ラウンド3分で行われます。これは、選手たちに高度な体力と技術が求められることを意味しています。

女子ボクシングについても、近年大きな発展を遂げています。第24回大会より女子の参加が予定されていましたが、諸事情により第25回大会から正式に開催されました。当初は3階級でしたが、第33回大会からは5階級に増加しており、ますます盛り上がりを見せています。ただし、第25回大会の女子の試合はトーナメント方式ではなく、ワンマッチ形式で行われたという特異な点もあります。

表彰についても変化がありました。第18回大会から第29回大会までは最優秀選手賞とJOC杯が別々に選出されていましたが、第30回大会からは優秀選手賞に改称されました。また、第26回大会からは男子の最優秀選手賞として会長賞が設けられ、第27回大会からはJOC杯が男女それぞれに授与されるようになりました。

大会の中止と「徳島特別大会」

歴史の中で、本大会は幾度か中止を余儀なくされました。東日本大震災（第22回大会）と新型コロナウイルス感染拡大（第31回・32回大会）の影響により、大会そのものが中止となりました。しかし、第32回大会が中止となった際には、地区大会を勝ち抜いた高校生に実戦経験の機会を与えるため、四国連盟主催の「徳島特別大会」が徳島市のとくぎんトモニアリーナで開催されました。これは、大会関係者の高校生への配慮と、ボクシング競技の継続への強い意志を示す出来事であったと言えるでしょう。

大会を彩る名選手たち

本大会は、数々のオリンピック・世界選手権入賞者、そしてプロボクシングの世界で活躍するタイトルホルダーを輩出しています。山口圭司選手、クレイジー・キム選手、長嶋建吾選手、石田順裕選手、そして村田諒太選手、井岡一翔選手、井上尚弥選手など、そうそうたる顔ぶれが本大会を経験しています。彼らの活躍は、本大会が高校ボクシング界における最高峰の大会であることを証明しています。

まとめ

全国高等学校ボクシング選抜大会兼JOCジュニアオリンピックカップは、高校ボクシング界の登竜門として、未来のプロボクサーを育成し続ける重要な大会です。多くのドラマと感動を生み出し続ける本大会の今後の発展に期待しましょう。

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