全州神社

全州神社は、かつて朝鮮半島、現在の韓国全羅北道完州郡に位置していた神社です。この神社は、日本の統治時代に設立され、天照大神、明治天皇、国魂大神を祭神としていました。旧社格は国幣小社であり、その歴史は日本の朝鮮統治政策と深く関連しています。

歴史

1910年（明治43年）、全州府内の多佳山山頂に鳥居が建設され、皇大神宮の遙拝所として利用されるようになりました。これは、当時朝鮮に居住していた日本人たちの間で、神道信仰への関心が高まっていたことを示しています。

その後、1914年（大正3年）になると、在住日本人の間で全州神社の創立が本格的に議論されるようになり、道内からの寄付を集めて建設が進められました。同年11月24日には本殿をはじめとする主要な建物が竣工し、神社の形が整いました。1916年（大正5年）2月21日には、諸設備の完成を待って神社創立の申請が行われ、神社寺院規則に基づいて同年9月27日に天照大神を祭神とする全州神社の創立が正式に許可されました。

1935年（昭和10年）11月28日には、明治天皇と国魂大神が新たに祭神として加えられ、より大規模な神社へと発展しました。翌1936年（昭和11年）8月11日には、道供進社に指定され、道から神饌幣帛料が供進される神社となりました。さらに、紀元2600年記念事業の一環として移転と改築が計画され、1938年（昭和13年）7月には奉賛会が組織されました。しかし、当時の社会情勢（日中戦争）の影響で工事は遅延し、計画は最終的に完成することはありませんでした。

1944年（昭和19年）5月1日、全州神社は国幣小社に列格され、神社としての格式が高まりました。しかし、第二次世界大戦で日本が敗戦すると、日本の統治下にあった朝鮮の神社もその役割を終えることとなり、1945年（昭和20年）11月17日に全州神社は廃止されました。全州神社の歴史は、日本の統治政策と深く結びついた神社であり、その設立から廃止までの過程は、当時の社会情勢を反映しています。

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