全日本プロレス協会

全日本プロレス協会の歴史

全日本プロレス協会は、1950年代に日本で設立され、特に大阪を拠点にして活動していたプロレス団体です。設立時の中心人物は山口利夫と清美川梅之助で、団体の活動は当時の日本におけるプロレス興行の重要な一環として位置づけられていました。

争いの始まりと興行のスタート

1950年に牛島辰熊が設立した国際柔道協会（プロ柔道）から離れた山口利夫は、清美川梅之助と共に大阪でプロレスを始めました。1953年7月には初の大規模な興行を開催し、これが日本での本格的なプロレスの始まりと見なされています。この興行は、1954年2月に大阪府立体育館で行われた日米対抗試合で、新たな時代を象徴するものでした。この試合は試験放送中のテレビで中継され、日本初のプロレス中継と記録されています。

男女混合プロレスの先駆者

全日本プロレス協会は、男女混合プロレス団体としても注目されました。女子部が設けられ、数名の女性選手が所属していたことで、時代を先取りした存在となったのです。また、東京から招かれた女子選手たちもこの新しい試みに参加し、後の国際プロレスやFMWの先駆けともなりました。

統一選手権と困難な時期

全日本プロレス協会は、1955年1月に日本選手権試合を開催しましたが、主力選手である山口は力道山に敗北し、団体の人気は低迷しました。この後、団体は経営不振に陥り、1956年には静岡県三島市に拠点を移し、「山口道場」として活動を続けることしましたが、実質的には解散状態でした。その後も興行は減少し、選手も次第に減少していきました。

団体崩壊とその後

1957年には全日本プロレス協会は事実上崩壊し、選手たちは他団体へ移籍するか引退を選びました。山口利夫は1958年に引退試合を行い、当時のプロレス界の重要な人物たちと共演したものの、団体自体は消えていきました。

所属選手とその影響

この団体には、山口利夫や清美川梅之助をはじめとする多くの才能ある選手が在籍していました。山口は団体の崩壊後、引退しプロレス界からの引退を決意します。清美川は、後にアジア・プロレスを立ち上げ、プロレス界での影響を持ち続けました。また、男子選手の他に女子選手も存在し、堤麗子や富士絹江、関係者として松山庄次郎らが名を連ねています。

日本プロレスの黎明期

全日本プロレス協会の活動期は、日本におけるプロレス興行が確立される過程であり、多くの外国人選手が参加していましたが、そのほとんどは駐留米軍の兵士や無名の格闘技経験者であったとされています。これにより、日本のプロレス文化が形成されていく中で、多様なスタイルの選手たちが登場し、観客の関心を引く要因となりました。

まとめ

全日本プロレス協会は、短い活動期間ながらも、日本のプロレス史において重要な役割を果たしました。男女混合プロレスを含む革新的な試みや、関係者たちの活躍は、その後のプロレス界にも影響を与え、多くの人々に記憶されています。団体の崩壊は残念でしたが、当時の選手たちの情熱と努力は、今でも多くのプロレスファンに語り継がれています。

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