全日本山岳写真協会

全日本山岳写真協会（ぜんにほんさんがくしゃしんきょうかい、英文名称：Alpine Photograph Japan）は、日本の山岳写真を愛する人々が集う組織団体です。プロフェッショナルからアマチュアまで、全国各地の約350名の会員で構成されています。この団体は、山岳や自然を被写体とした写真表現の技術向上を図り、広く一般写真文化の普及発展に貢献することを目指して活動しています。現在の理事長は宮本宏明氏、副理事長は関谷智彦氏と大野崇氏が務めています。

沿革

協会の歴史は、1947年（昭和22年）に遡ります。塚本閤治氏（初代会長）、小合正勝氏らによって創立され、後に川崎吉蔵氏も参加。創立当初から日本の山岳写真界を牽引するリーダー的な存在として歩みを始めました。一度「日本山岳写真協会」と名称を変更した後、1977年（昭和52年）には現在の「全日本山岳写真協会」へと改称。この時、三木慶介氏が理事長に就任しました。

主な活動

全日本山岳写真展

主な活動の中心は、毎年開催される「全日本山岳写真展」です。これは協会が主催するもので、日本の山岳写真展としては最大級の規模を誇ります。通常、東京芸術劇場を会場として開催され、会期中には多くの写真愛好家が訪れ、賑わいを見せます。この写真展は東京だけでなく、朝日新聞社東京本社コンコース、愛知芸術文化センター、静岡市民ギャラリーなどでも巡回展が開催されています。

写真展の歴史も古く、協会の創立と同時に第1回展が桜田会館で開催されました。その後、東京山岳写真同人との合同開催や、日本橋白木屋、小西六ギャラリー、京王百貨店など様々な会場を巡りながら実績を積み重ねました。特に1964年度からは東京新宿小田急グランドギャラリーで開催されるようになり、この年から全国の山岳写真愛好家に向けて広く作品を募集する公募部門が設けられました。これにより、プロ・アマを問わない全国規模の「全日本山岳写真展」として、多くの人々の注目を集めるようになりました。1991年度は池袋サンシャインシティで開催。そして、創立45周年を迎えた1992年からは、池袋の東京芸術劇場を主な会場として開催されるようになり、現在に至ります（2011年は東京芸術劇場改修工事のため新宿・ヒルトピアアートスクエアで開催）。約400点に及ぶ展示作品数は、山の写真展としては日本でも最大級であり、熱心なファンからは開場前から行列ができるほどの好評を得ています。

定例活動

写真展以外にも、協会では様々な活動を行っています。

例会: 月に一度開催され、月例コンテストの講評、写真に関する勉強会、会員の山行報告、事務連絡、メーカーによる新製品紹介などが行われます。
月例コンテスト: 隔月でカラー部門とモノクロ部門が実施されます。会員同士の互選で順位が決まり、年間累計点数で年度賞が選ばれます。年2回は外部講師を招き、幅広い視点からの講評や講話が行われます。
撮影会: 会員の親睦と撮影技術の向上を目指し、季節を変えて年に3〜4回開催されます。撮影会で撮影した作品によるミニコンテストも行われます。
月報: 毎月、B5判8ページの月報が発行され、協会の活動状況や連絡事項が会員に伝えられます。

出版活動

出版活動も積極的に行われており、山と溪谷社からは写真集『山稜の四季』（ISBN 978-4817944092）が刊行されています。また、毎年開催される全日本山岳写真展の出品作品を収録した写真集「山稜」を自費出版しており、協会の重要な記録として位置づけられています。その他にも、会員による写真集が多数出版されています。

所在地

全日本山岳写真協会事務局は、〒130-0026 東京都墨田区両国2-2-14 三木ビル202に置かれています。

関連項目

山岳写真、日本山岳写真協会、日本山岳写真集団、全日本写真連盟など。

全日本山岳写真協会の活動は、日本の山岳写真の発展と普及に大きく貢献しています。

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