全米人文科学基金

全米人文科学基金（NEH）

全米人文科学基金（National Endowment for the Humanities, NEH）は、アメリカ合衆国における人文科学の研究や教育を支援するために1965年に設立された独立した連邦機関です。この基金は、アートと人文科学法に基づき設立され、ワシントンDCのペンシルベニア通りに位置する旧郵便局に本部を置いています。日本語では「国立人文学基金」とも呼ばれます。

概要

NEHは、「人文科学の計画に対する全米で最大の基金」として、文化的資産、教育、研究、公的な計画といった四つの重要な分野への補助金を提供しています。この基金の補助金は、博物館や図書館、大学、公共放送などの文化機関や、個々の学者に対して支給されることが主な目的です。また、個人や非営利団体、そして人文科学協議会のネットワークによって支えられています。

毎年夏には、全国の高校生を対象に、各部門から選ばれた実習生が基金の事務所で10週間のフルタイムプログラムに参加し、貴重な体験を得る機会が設けられています。これにより、次世代の人文科学者や文化的リーダーを育成することが目指されています。

管理体制

全米人文科学基金は書記長によって運営され、書記長はアメリカ合衆国大統領によって任命され、議会の承認を受ける必要があります。書記長の任期は4年間で、全米人文科学会議（National Council on the Humanities）がその運営のアドバイスを行います。この会議は大統領と議会により任命される26人の民間人から構成され、そのメンバーは6年間の任期です。

過去には、市民文化に対する影響を与えるような方針を見直す動きもありました。1995年には、NEA（全米芸術基金）や公共放送教会とともに廃止が検討されることもありましたが、最後にはその存続が決定されました。

歴代の書記長

全米人文科学基金には数多くの書記長が在任しており、初代書記長のバーナビー・キィニーから始まり、ウォレス・エッジャートン、ロナルド・ベルマン、ブルース・コールなど、様々な著名な人々がこの役職を担いました。現在の書記長であるジム・リーチは2009年に就任し、現在に至っています。

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