全金属製飛行機研究材料

全金属製飛行機研究材料

全金属製飛行機研究材料（ぜんきんぞくせいひこうきけんきゅうざいりょう）は、大日本帝国海軍によって試作された艦上偵察機であり、その設計活動は1927年に始まりました。この機体は「長畑式特殊艦上偵察機」とも称され、さらに製造を担当した川崎造船所飛行機工場に由来して「川崎試作艦上偵察機」とも呼ばれています。

開発の背景

海軍の航空機開発は、常に新技術の導入に追求されていました。その一環として、全金属製航空機の研究を目的に、海防義会の資金提供を受けて極秘で実験機が開発されることになりました。設計は海軍技術研究所航空研究部で行われ、長畑順一郎技師と佐藤博助手の指導のもと1927年3月に始まり、翌年の6月には設計が完了しました。

機体は1928年9月に完成し、その後試験飛行が行われることになりました。試験飛行は霞ヶ浦で1929年3月から開始されましたが、飛行中にフラップの操作が難しいとの課題が認識され、操縦性の問題から計画は中止されました。

機体の設計

本機は、艦上偵察機として高い高空性能を追求して設計されました。主翼にはドルニエ式の全金属製骨組みを採用し、羽布張りの単葉機となっています。特筆すべきは、片持式パラソル翼が採用され、後退角の深さや大面積のスロッテッド・フラップが配された点です。これらは当時としては前例のない先進的な設計要素でありましたが、基礎技術の不十分さから実用化には至りませんでした。この機体には、固定された脚が装備されていました。

技術的な諸元

全金属製飛行機研究材料のサイズや性能についても詳しい情報があります。以下はその技術的な諸元です。

• - 全長: 10.65 m
• - 全幅: 16.60 m
• - 全高: 3.18 m
• - 主翼面積: 43.70 m²
• - 自重: 1,200 kg
• - 全備重量: 1,800 kg
• - エンジン: 三菱 ヒ式 水冷V型12気筒（離昇600 hp）×1
• - 最大速度: 262 km/h
• - 実用上昇限度: 10,000 m
• - 航続時間: 3時間
• - 乗員: 2名

これらの基本情報は、機体の特徴を理解する上で非常に重要です。

結論

全金属製飛行機研究材料は、その先進的な設計と新しい技術が盛り込まれた艦上偵察機として注目されつつも、試験飛行による課題から計画は途中で中止されました。この開発は日本の航空機技術史における一つの試みと捉えられていますが、実用化には至らなかったことは残念な側面です。

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