全関西ケーブルテレビジョン

株式会社全関西ケーブルテレビジョンの概要

株式会社全関西ケーブルテレビジョン（略称：ACTV）は、1973年に設立され、朝日新聞大阪本社や日本ケーブルテレビジョン、朝日放送などの企業が共同出資して運営される業務用ケーブルテレビ局です。運営開始以来、近畿地方を中心にさまざまな情報を発信し続けています。

設立とサービスの展開

株式会社全関西ケーブルテレビジョンは1973年3月1日に設立され、同年10月1日から放送が開始されました。創業当初は京阪神エリアのホテル向けに「かんさい情報チャンネル（KICS）」として、観光情報や気象・交通情報を多言語で提供していましたが、このサービスはすでに終了しています。現在は、CNNjの配信を行い、さらに他地域のケーブルテレビ向けに番組の制作・配給も手がけています。

難視聴地域への対応

2008年、全関西ケーブルテレビジョンは難視聴地域向けのCATV事業を開始しました。和歌山県紀の川市に位置するACTV紀の川局は2008年4月に開局し、光ファイバーによるサービスを提供しています。このサービスは地上波と衛星放送の再放送を含んでおり、地元の視聴者に対して質の高い映像コンテンツを届けています。また、自主制作によるコミュニティチャンネルも過去に運営されていましたが、2016年に終了しました。

他の局も順次開局し、ACTV白浜局（2009年）、ACTV京丹後局（2009年）、ACTVすさみ局（2010年）などがサービスを展開しています。特に京丹後市のケーブルテレビは、地域情報化計画に基づいて設立され、地域に密着した情報サービスを提供してきました。

自主放送と災害情報の対応

京丹後局においては、自主放送を通じて行政情報などを配信していましたが、2018年に一時停止した後、2021年に再開されました。再開後は、コロナウイルス関連情報やその他の重要な行政情報が視聴者に届けられています。特に災害時には迅速に情報提供を行うことが求められており、これまでの運営について市長は「災害情報は文字による情報でカバーできる」と述べています。

チャンネルと放送内容

全関西ケーブルテレビジョンが提供する放送内容は地上デジタルに加え、BSデジタルやCS放送も含まれます。地上デジタル放送は、地域の需要に応じたチャンネルを提供し、特に通信インフラが整備されている地域では、充実したコンテンツが視聴可能です。ただし、技術的な問題から一部の放送局の再送信が行われていない場合もあります。

また、RADIOサービスも行われ、複数のエリアでAM放送をFMに変換して再送信しています。ただし、全国的な民放ラジオの再送信は制約があり、朝日新聞系の局を含めた再送信は行われていません。

今後の展望

全関西ケーブルテレビジョンは、引き続き地域密着型サービスを強化しながら、新たなコンテンツの提供や視聴者のニーズに応じたサービスの向上に取り組んでいくことが期待されています。高度な通信インフラの構築とともに、地域社会に貢献する情報発信をすることが求められる時代において、その役割はますます重要となっています。

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