八ヶ岳総合博物館

八ヶ岳総合博物館

八ヶ岳総合博物館は、1988年に開館した長野県茅野市の博物館です。正式名称は「茅野市八ヶ岳総合博物館」で、八ヶ岳の美しい自然環境のもと、地域の歴史や文化を広く学ぶことができます。また、博物館内には文学に特化した「八ヶ嶽岳麓文芸館」も併設され、地元にゆかりのある作家やアーティストの資料を展示しています。

博物館の成り立ち

1959年に「茅野市民俗資料館」としてスタートしたこの施設は、1982年に新しい博物館の設立を目指す委員会が発足しました。この委員会は、急速に変化する社会の中で失われつつある文化や民俗の保存を目指し、さらに自然科学や人文科学の教育を取り入れた総合的な博物館のビジョンを掲げました。1983年には基本構想を固め、各種分野の調査と研究が始まりました。

数回の候補地検討の末、1986年に現在地の豊平下古田「寺山」が選ばれ、用地造成が始まりました。1987年からは建物の建設が行われ、1988年に総合博物館としての開館を迎えました。それ以来、多様な展示を通して八ヶ岳の自然、文化、歴史を地域の人々や訪れる人々に伝えています。

展示内容

常設展

1階

• - 八ヶ嶽岳麓文芸館: 地元出身の著名な文学者たちに焦点を当てた文学館で、島木赤彦や斎藤茂吉などの資料が展示されています。アララギ派の歌人を中心に構成され、地域の文芸や文化の豊かさを感じることができます。
• - イベントスペース: 様々な講座やワークショップを通じて、幅広い年齢層の人々に学びの場を提供しています。特に地域の伝統工芸であるはた織りなどの体験も行っています。
• - プラネタリウム: 天文や宇宙に関する解説を聞きながら星空を体験でき、訪れる人々に宇宙の魅力を伝えています。

2階

この階では、八ヶ岳周辺の自然や生態系、地質についての展示が行われています。植物や動物の標本のほか、地域特有の地形や水の浄化機能などを紹介。また、茅野市の歴史や暮らしについても、旧石器時代から現代までの展示が行われており、特産品として知られる寒天や氷餅の製造に関する道具も見ることができます。

過去の企画展

これまでにも様々なテーマの企画展が開催されており、地域の文化や歴史に根差した独自の展示が多くあります。例えば、「宮崎龍介・柳原白蓮と蓼科」や「信州天文文化100年」など、地域の特色を生かした内容が話題を呼びました。特に、博物館ボランティアが制作した『山浦の語りべ』シリーズは、地域の歴史を知る貴重な資料となっています。

利用案内

開館時間は9:00から17:00までで、入館は16:30まで可能です。月曜日は休館日となっており、祝日の翌日も休館となる場合があります。公共交通機関を利用する場合、JR茅野駅からタクシーで約10分の距離にあります。また、自動車の場合、中央道の諏訪インターチェンジから約15分、駐車場も完備されています。地方の豊かな文化や歴史、自然に触れ、学ぶことができる八ヶ岳総合博物館を訪れてみてはいかがでしょうか。

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