八丈岩駅

八丈岩駅の歴史と伝説

八丈岩駅（はちじょういわえき）は、岐阜県揖斐郡揖斐川町に位置していた名古屋鉄道（名鉄）揖斐線の駅でした。駅名は、周辺にある権現山の中腹に存在する大岩「八丈岩」に由来しています。

開業とその後の変遷

この駅は1928年（昭和3年）12月20日に、揖斐線の前身である美濃電気軌道によって黒野駅から揖斐方面への路線が延伸された際に設立されました。当初は停留場として機能していましたが、開業から15年後の1944年（昭和19年）に、駅は休止状態となり、その後復活することはありませんでした。最終的には1969年（昭和44年）4月5日に廃駅となりました。

歴史を振り返ると、1944年に休止されるまでは、美濃電気軌道が名古屋鉄道に合併されるとともに、名鉄揖斐線の一部として利用されていました。開業時には待避線も存在しましたが、後に駅の利用は減少し、周辺環境の変化に伴って廃止に至りました。その間、近隣にあった揖斐川町コミュニティバスの「長良バス停」も駅の近くに位置していました。

八丈岩にまつわる伝説

八丈岩はその名に冠する通り、地域の伝説にも大きな役割を果たしています。この大岩には、「夜叉ヶ池」に関する伝説が伝えられています。伝説によれば、揖斐川の上流に住む龍神と、美濃国安八郡の郡司、安八太夫安次の娘との間には運命的な約束がありました。娘は龍神の若者に姿を変えた姿に連れられ、揖斐川上流の池へ向かいましたが、そこで龍神には既に本妻がいたことが判明しました。

本妻は娘を見て激怒し、大蛇の姿に変わり、八丈岩の真下の穴に隠れてしまいます。そして、彼女は「娘が安八に里帰りする際、この近くを通るのならば、岩を落として押しつぶしてやる」との言葉を残しました。結局、娘は里帰りすることがなかったのですが、安八太夫安次の子孫たちは、この八丈岩の近くを通ることを避けるようになったとされています。別の伝説では、嫉妬に狂う二頭の龍女がいて、一方が他方を八丈岩で襲うシーンが語られています。このように、八丈岩は多くの物語に彩られた存在であり、地域の文化に強く根付いています。

隣接する駅

名古屋鉄道の揖斐線において、八丈岩駅の隣駅は以下の通りです。清水駅、そして本揖斐駅がその隣に位置しています。

八丈岩駅はその短い存在の中で、地元の人々に愛され、周辺地域の伝説とともに語り継がれています。今は廃駅となりましたが、その名は引き続き地域の歴史の一部として残り続けることでしょう。

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