八上藩

八上藩の詳細

八上藩（やかみはん）は、丹波国多紀郡、現在の兵庫県丹波篠山市八上に設立された藩です。この藩は、歴史的に重要な背景を有しています。

初代藩主である前田茂勝は、かつて織田信忠に仕官していました。その後、豊臣家に仕えて五奉行を務めた前田玄以の子供です。茂勝は、慶長5年（1600年）に行われた関ヶ原の戦いにおいて西軍に所属し、田辺城の攻撃にも参加しました。彼はまた、細川幽斎に降伏を勧める使者としても知られています。

戦後、茂勝の父である玄以が石田三成の挙兵に内通していたことや、幽斎を助けた行動により、茂勝は慶長7年（1602年）に丹波亀山藩から八上に移封され、所領を5万石として与えられました。これにより藩の存続が許可されたのです。

茂勝は江戸城の普請役などを務める一方で、次第に酒に溺れ、藩政に対して興味を持たなくなっていきました。この変化の背景には、かつての信仰を捨てることになった経験があると言われています。茂勝はキリシタンであり、洗礼名をコンスタンチと名乗っていましたが、父の玄以によって強制的に棄教させられたのです。

慶長13年（1608年）には、茂勝は忠臣であり、自身を何度も諌めた尾池清左衛門とその息子を殺害するという凶行に及びます。この事件により、さらには連座の形で渡辺大膳と畑平太夫も切腹させることとなりました。尾池は徳川家康と親しい関係にあったため、茂勝の行動は家康の怒りを引き起こしました。その結果、茂勝は「発狂した」という理由で捕らえられ、改易されたのです。その後、彼の身柄は京都所司代の板倉勝重、さらに出雲松江藩主であり、茂勝の姉婿にあたる堀尾忠晴に預けられました。

最終的に、茂勝は隠岐国に流され、そこで生涯を終えました。

八上藩の歴史は、茂勝の改易後の変遷にも注目です。前田家が改易された後、松井松平家の松平康重が常陸笠間藩から入藩し、慶長14年（1609年）12月には篠山城に本拠を移すことで篠山藩として存続することとなりました。これにより、新たな歴代藩主として松平康重が名を刻むことになります。

歴代藩主

• - 前田家: 5万石 外様
• - 前田茂勝（しげかつ）
• - 松平（松井）家: 5万石 譜代
• - 松平康重（やすしげ）

八上藩の歴史は、戦国時代の激動に満ちた日本の中での藩の興亡を物語っており、今日においても多くの人々にとって興味深い歴史的な話題となっています。

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