八仙飯店之人肉饅頭

映画『八仙飯店之人肉饅頭』の概要

『八仙飯店之人肉饅頭』（はっせんはんてんのじんにくまんじゅう）は、1993年に公開された香港の映画です。原題は『八仙飯店之人肉叉焼包』で、英題では『The Untold Story』と呼ばれています。この作品は、1985年に実際にマカオで発生した「八仙飯店一家殺害事件」をモチーフにしており、非常に衝撃的な内容が描かれています。映倫の規定により、日本では一般的な映画館での公開はされず、東京国際ファンタスティック映画祭での限定上映や、ビデオ・DVDの形で日本語版が発売されたのみでした。

ストーリーの概要

物語は1986年のマカオを舞台に、大衆食堂「八仙飯店」の店主ウォン・チーハンと彼の店で働く従業員の日常から始まります。ある日、海岸で親子が切断された手足を発見し、マカオ警察は殺人事件として捜査を始めることになります。ウォンは店を売却しようとするものの、前店主の同意が得られず苦労していました。

新しく雇った料理人に、ウォンは麻雀の不正を見抜かれ、その夜、料理人を暴力的に殺害し、その遺体を料理の具材として客に提供します。この陰惨な行動と同時に、警察の捜査は進展し、ウォンの過去と店舗の所有者について疑念を抱くことになります。

警察は、八仙飯店の前店主であるチェンの家族が行方不明であることを突き止め、店を訪れた際にウォンに対して事情聴取を行います。しかしウォンは巧みに真実を隠し通し、警察の追及をかわします。ウォンは、自身が犯罪を重ねるにつれて、状況はますます厳しくなり、彼の嘘が暴かれていく様子が描かれています。

捜査が進む中、ウォンは逃げようとしたが、警察に逮捕されます。その後、取調べでの暴力や虐待が続き、ついには彼の口から事件の真相が明かされることになります。ウォンは麻雀の対戦での金銭トラブルから、前店主一家を惨殺し、その肉を叉焼包として提供していたことを告白します。

残虐描写と映倫の判断

本作は、その過激な内容から日本の映倫によって劇場上映が禁止されました。作品中には多数の暴力的な描写が含まれ、特に子供を含む一家の惨殺シーンは非常に衝撃的で、視聴者に強い印象を与えます。しかしその一方で、映画の中のマカオ警察の描写はコメディタッチで描かれ、観客に一層の対比を与えています。

日本での上映歴

この映画は、1994年に東京国際ファンタスティック映画祭で上映され、その後も特集上映として限定的に公開されました。2015年8月には、90年代の香港バイオレンス映画特集「スーパークレイジー極悪列伝」にて、他の映画と共に劇場初公開が実現しました。

まとめ

『八仙飯店之人肉饅頭』は、アンソニー・ウォンが主演し、その迫真の演技が評価された作品でもあります。実際の事件を元にしているだけに、その内容は極めて衝撃的であり、映画界においても議論を呼ぶテーマを扱っています。映画を通じて、暴力と残虐行為を描いた作品の意味を問いかけています。純粋なエンターテインメントとは言い難いものの、深いテーマを持った作品として、観る者に強い印象を残すことは間違いありません。

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