八代神社

八代神社：歴史と伝統が息づく熊本の名社

熊本県八代市妙見町に鎮座する八代神社は、上宮、中宮、下宮の三宮から構成される神社です。現在、下宮が本宮として崇敬を集めています。相馬妙見宮（福島県）、能勢妙見宮（大阪府）とともに、日本三大妙見の一つとして知られ、古くから地域の人々から篤い信仰を集めてきました。

悠久の歴史：創建から現在まで

『妙見宮実紀』（1730年）によると、八代神社の起源は795年（延暦14年）に横岳頂上に創祀された上宮に遡ります。その後、1160年（永暦元年）に中宮が建立され、1186年（文治2年）には後鳥羽天皇の勅願により、大江朝臣隆房によって下宮が創建されました。

明治維新以前は妙見宮と呼ばれ、神道と仏教が習合した宮寺として栄え、八代、下益城、芦北の三郡を統括する一の宮として崇敬を集めました。明治3年までは妙見宮でしたが、明治4年の神仏分離令により、天之御中主神と国常立尊を祭神とし、現在の社名である八代神社に改称されました。県社に列せられました。

八代妙見祭：勇壮華麗な九州三大祭り

八代神社の秋の例大祭である八代妙見祭は、その壮大さから九州三大祭りの一つに数えられています。11月22日と23日に行われるこの祭りは、「八代妙見祭の御幸行事」として国の重要無形民俗文化財に指定されており、ユネスコ無形文化遺産にも登録されています。

祭りの起源は古く、『八代日記』には1515年（永正12年）の記述が残されています。安土桃山時代には一時衰退しましたが、加藤氏、細川氏、松井氏といった歴代領主の庇護を受け、現在のような盛大な祭りに発展しました。

祭りのハイライトは、御旅所である塩屋八幡宮への「お下り」と、八代神社への「お上り」の神幸行列です。神輿、神主、社僧、鉄砲隊、神馬、そして八代独自の笠鉾や獅子、亀蛇（玄武）など、江戸時代後期からほぼ変わらぬ様々な行列が街を彩ります。

その他の祭事と境内

八代神社では、八代妙見祭以外にも様々な祭事が行われています。5月31日～6月1日に行われる氷室祭は、細川忠興公が祈願して奉納したことに由来する祭りで、雪餅を供えることが習わしです。また、1月3日の御田植神事や7月17日の十七夜祭なども執り行われています。

境内には、大宮神社（祭神：日本武尊）、稲荷神社（祭神：保食神）などの境内社や、妙見宮の六地蔵幢などがあります。境外末社として霊符神社があり、これは鎮宅霊符神の総本社として知られています。

まとめ

八代神社は、長い歴史と伝統を誇る神社であり、その歴史は、祭事、境内社、そして周辺地域との深い関わりの中で育まれてきました。八代妙見祭をはじめとする様々な祭りは、現代においても地域の人々の生活に深く根付いています。訪れる人々に、歴史と文化の息吹を感じさせる、魅力的な場所です。

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