八十神

八十神（やそがみ）

八十神は、日本の神話に登場する神々の総称であり、特定の神々を指すのではなく、多くの神々の集合体を意味します。この神々に関する記述は主に『古事記』や『出雲国[[風土記]]』に見られます。

概要

『古事記』では、八十神は大穴牟遅神の兄弟として描かれています。この物語では、大穴牟遅神が八上比売との結婚を目指して旅をする際に、彼らが重要な役割を果たします。旅の途中で、大穴牟遅神は海岸で傷ついて泣いている兎を見つけます。彼は兎に対し、海水に浸かって風に当たることで傷が治るという嘘の治療法を教え、その結果兎はさらに苦しむことになります。

その後、八十神は八上比売に求婚しますが、すべて拒絶されます。逆に八上比売は、兎を助けた大穴牟遅神と結婚することを宣言します。八十神はこの出来事に逆恨みし、計略を巡らせます。彼らは大穴牟遅神に対し、大きな猪を追い落とし、その下で受け止めるように脅しますが、結局、真っ赤に焼けた岩を落として彼を殺してしまいます。

しかし、大穴牟遅神は母親である刺国若比売の力によって美しく蘇ります。再び八十神に襲われ、命を奪われますが、再度蘇らせた刺国若比売は彼に木の国の大屋毘古神の元へ逃げることを勧めます。それでも、八十神は追いかけてきます。大穴牟遅神は根之堅洲国に逃げ、そこでは遠い祖先である須佐之男命の試練を受けます。そしてその娘、須勢理毘売命と結婚し、再び地上に戻ることになります。

大穴牟遅神は須佐之男命から授かった神宝、生大刀や生弓矢を用いて八十神を平定し、地上の主である大国主神となります。

『出雲国[[風土記]]』の記述によると、大国主神は八十神を青垣山の裏に留めておかず追い払ったとされています。

系譜

八十神が大穴牟遅神の兄弟とされていることから、彼らの父は天之冬衣神と考えられていますが、母親に関しては情報が不足しています。

語源と意味

「八十」という言葉は「多くの」という意味を持ち、八十神は「多くの神々」という意味で、数の特定はありません。

関連項目

• - 出雲族
• - 大国主の神話
• - 因幡の白兎

八十神のエピソードは、日本神話における神々の複雑な関係性や力の争いを象徴する重要な物語のひとつです。

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