八国山緑地

八国山緑地について

東京都東村山市にある八国山緑地は、狭山丘陵の東端に位置する都立公園です。東西約1.5km、南北約300mと細長い形状で、北側は埼玉県所沢市に接しています。園内には標高89.4mの八国山があり、かつては上野、下野、常陸、安房、相模、駿河、信濃、甲斐の八つの国を見渡せたことが名前の由来ですが、現在は木々に覆われ展望は開けていません。

歴史と遺構

八国山は、新田義貞が「久米川の戦い」の際に陣を張った場所とされ、尾根の東部には「将軍塚」と刻まれた石碑が建てられています。この塚は、かつては富士塚や古代の古墳であったという説もあります。また、付近には古代の官道である東山道武蔵路が通っていたとされ、将軍塚周辺の谷戸地形からは、溝や切通し跡と考えられる遺構や、8世紀頃の須恵器が発見されています。

自然環境

園内は武蔵野の自然が色濃く残っており、クヌギやコナラなどの雑木林や原っぱが広がっています。これらの場所では、散策をしたり、様々な野鳥や昆虫を観察することができます。四季折々の自然を感じられる場所として、地域住民に親しまれています。

八国山たいけんの里

西武鉄道西武園線の南側には、東村山市立の展示・体験学習施設「八国山たいけんの里」があります。ここでは、八国山の自然や歴史に関する展示を見学したり、様々な体験学習プログラムに参加したりすることができます。

施設情報

場所：東京都東村山市野口町3丁目48番地1
入場料：無料
開館時間：9時30分～17時（入館は16時30分まで）
休館日：毎週月曜日・火曜日（祝日の場合は開館し、次の平日に休館）、年末年始（12月27日～1月4日）
その他：手洗所、自転車置き場あり、身障者用駐車場のみ

下宅部遺跡と歴史公園

八国山たいけんの里の近くには、下宅部遺跡と東村山市立歴史公園「下宅部遺跡はっけんのもり」があります。下宅部遺跡は、縄文時代から中世にかけての水場遺構（旧河道・池状遺構）や、八国山からの地下水脈の湧水が見つかっており、地下に遺跡が埋没保存されています。また、下宅部遺跡からは「縄文時代の漆製品」（東京都有形文化財）も出土しています。

施設情報

場所：東京都東村山市多摩湖町4丁目3-4
「八国山たいけんの里」から宅部通りを徒歩2分
開設：2004年5月
東村山市史跡・『日本の歴史公園100選』
その他：手洗所、自転車置き場あり、駐車場はない

となりのトトロとの関係

八国山は、アニメ映画『となりのトトロ』に登場する七国山のモデルになったと言われています。また、主人公のサツキとメイの母親が入院している「七国山病院」のモデルになった新山手病院も、この地域に位置しています。

アクセス

西武西武園線西武園駅から徒歩10分
西武新宿線東村山駅から徒歩15分
* 駐車場はないため、西武園の有料駐車場を利用することも可能

周辺施設

西武園線の線路を挟んで南側には、北山公園があります。八国山緑地と合わせて訪れるのもおすすめです。

八国山緑地は、自然と歴史が調和した魅力的な公園です。散策や自然観察を楽しみながら、歴史の面影を感じることができるでしょう。

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